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ci side
トントンさん達と共にやって来たのはテラス席。そこを調べるが張り紙が無く、また風で飛んでいったと言う事もなさそうだ。
「張り紙自体無さそうですね」
「紙だけ飛んだならテープは残ってるはずだもんね」
「オスマンが嘘ついた…訳もないしなぁ」
トントンさんは恐る恐る腕の中に居るAちゃんを見る。お、頬っぺた膨らましとる。めっちゃ突きたい。
「す…すまん…」
『トンちゃんきらいっ』
Aは涙目でプイ、とそっぽを向いた。あ、トントンさんガーンってなっとる。わかり易っ。
「あーあ」
「トントンさん嫌われたーw」
ギューッと俺のお腹に顔をぐりぐり押し付けるAは完全に拗ねていて必死に謝るトントンさんを見ようともしない。そりゃ頑張って掃除しただけやのに怒られたんやもんな?
「…と、とりあえず後でオスマンに話聞いて調べ直してみるわ…」
「ガチで凹んでて草」
「そだね。とりあえずAちゃんをペ神に診せようか」
落ち込むトントンさんを他所にひとらんさんが腕の中のAの腕に触れる。
「…チーノ、ちょっと抑えてて」
「え?あ、はい」
『ゔっ』
腕を後ろからしっかり押えてるとひとらんさんがAが抑えてたハンカチを取る。
するとツゥ、と血が一筋垂れた。
「…ち…」
「血が出てるやん!!!!」
「うん、やっぱりね。____ペ神聞こえる?なるべく急いで来て」
Aちゃん頭切れてる、とひとらんさんは冷静にインカムで現状を伝え、俺とトントンさんは恐怖のあまり思わず叫んだ。
※※
『やだやだやだやだやだやだ!!!!!』
「うーんこんなに元気があるなら大丈夫だねぇ」
「笑っとる場合ちゃうやろペ神!はよ傷縫わんかい!」
ペ神さんが到着して直ぐに「縫おうか☆」と言った瞬間、Aは今まで出したことが無いほどの馬鹿力で抵抗を始めた。
因みに今俺とトントンさん、コネシマさんの3人係で抑えてます(なのにめっちゃ剥がされそう)。
「A!コラ、ステイ!」
『やだぁあああ!!!』
コネシマさんの言葉にもAは聞き入れずイヤイヤ首を振る。
「ええ子やから我慢せぇ!」
腕を必死に押さえるトントンさんは悲痛な叫びを上げていた。
「まるで歯医者嫌がる子供やな」
「子供の力やないけどな」
「お前ら余裕か?!ちゃんと抑えろや!」
なんてコネシマさんと雑談しながら、俺たちは泣き叫ぶAを抑えながら何とか縫う事に成功したのだった。
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へまとふぃりぃあ - 設定を見るたびに思うのです。とんかつ…食べるの?ぬいぐるみの豚にその名前つけたの?銀の匙かな? 以上です。とても面白く、そのうち腹筋が割れるのではと心配です (2020年10月9日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
はな - ハゲハゲそんなのいーやーでお茶ふいた (2020年10月2日 12時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最近お返事返せずすみません。リアルがかなり多忙でして、言い訳とわかってはおりますがコメントは全部ありがたく読ませていただいております。皆さんありがとうございます。次章までまたお付き合い下さると有難いです。 (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 我々箱推しさん» 書き方が悪かったですね!完結は次章予定です!続編はその後に執筆します! (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
我々箱推し - 完結&続編おめでとうございます!続編も、黒瀬さんのこと応援します! (2020年9月18日 18時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
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