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「なぁひとらん花冠の保存方法とか知らんの?」
「無いんじゃない?一応エミさんに聞いた方がいいと思うけど」
『ただいまー』
仲良く帰ってきた3人に談話室にいたコネシマ、シャオロン、エーミールがおかえりと声をかける。
『しっまー!みてぇえええ!!!』
「うぐぉっ!!」
興奮のあまりコネシマの腹部に突撃したAはそのままゴロゴロと転がる。キャッキャと笑っていれば「やめぇや!!」と鼻をうちつけたらしく鼻血を垂らしながらAを抱き上げた。
『しっま、はなぢでてる』
「おう誰のせいやと思っとんねん」
『あのね、はなかんむりつくったの』
「目を逸らすなや」
『む゛ー』
両頬を手でぎゅっと左右から押されタコのようになるAに「怪我するからアカンやろ?」と言い聞かせるコネシマ。
「コネシマお父さんみたいだね」
『ぱぱ?』
「父親なぁ…」
家族を知らん俺でもなれるんかな、と小さく呟いたコネシマに知ってか知らずかAはぎゅっと抱き着いて頬をすりよせる。その温かさに彼は嬉しそうに頬を緩ませた。
「…そう言えばゾムは?いないの?」
そろそろ飯の時間でしょ、とひとらんが尋ねれば「布団のシーツ変える言うとったで」とシャオロンから情報が。
「なら行こっか、Aちゃん」
『うん!しっま、またねー』
「気ぃつけるんやぞ」
頭をポンポンと叩かれコネシマから離れたAは立ち上がって差し出されたひとらんの手をきゅっと握った。
『いってきまーす』
エーミールとトントンが草冠の保存方法を、シャオロンがシッマが父親になれるのか話をしている中2人でゾムの自室へと向かった。
※※
こんこん、と乾いた音を立ててドアをノックする。
すぐに開いたドアからはめずらしくフードを下ろしたぞむがいた。
「ひとらん?珍しいやん」
「お届け物だよ」
『ぞむっ』
「ん?おぉAか。おかえりなー」
抱きついてきたわたしをぞむは嬉しそうに抱きとめ軽々と持ち上げる。ちらりと部屋の中を見ればまだたたまれた状態のシーツと漫画がみえた。
「…漫画置いて先に作業しないと終わらないよ?」
「わ、わかっとるわ」
「なら早く終わらせなよ」
らんらんの正論にたじたじなぞむは「わかっとるわ!」とわたしを抱き上げたまま扉をしめた。
「…えーっと、シーツ変え終わったら今日何したんかお話しよか」
『? うん』
少しだけ顔が赤いぞむはシーツをかえおわるまで目を合わせてくれなかった。
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へまとふぃりぃあ - 設定を見るたびに思うのです。とんかつ…食べるの?ぬいぐるみの豚にその名前つけたの?銀の匙かな? 以上です。とても面白く、そのうち腹筋が割れるのではと心配です (2020年10月9日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
はな - ハゲハゲそんなのいーやーでお茶ふいた (2020年10月2日 12時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最近お返事返せずすみません。リアルがかなり多忙でして、言い訳とわかってはおりますがコメントは全部ありがたく読ませていただいております。皆さんありがとうございます。次章までまたお付き合い下さると有難いです。 (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 我々箱推しさん» 書き方が悪かったですね!完結は次章予定です!続編はその後に執筆します! (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
我々箱推し - 完結&続編おめでとうございます!続編も、黒瀬さんのこと応援します! (2020年9月18日 18時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
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