不良=恐怖とは限らない。【男主】

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此処は米花町。

ある"死神"と微かに呼ばれている小学生が住んでいるこの町は強盗や殺人等の事件が絶え間なく起きる。


「待てー！！！」


江戸川コナンは強盗犯を追い掛けていた。
どこでもボール射出ベルトにあるボールは運悪く無くなってしまった。これじゃあ、"どこでも"じゃねぇよ。


「クッソ、スケボーがあればすぐ追い付けるのに…！！」


犯人との距離が縮こまる事はなく逆に広まる一方だった。
遂には何処かに停めていたであろう車に乗り込んで発進していった。

これは諦めるしかないのか、クソッ。


ﾌﾞｫﾝﾌﾞｫﾝ

『乗れ、ガキ。』

「え？」

『追い掛けんだろ？早く乗んねぇと見失う。』


隣に一台のバイクが停まった。
知らない男の人がバイクの後ろを指差し、乗るよう促した。


「…ｯありがとう！」

『っと、これ被っとけ。』


自身が被っていた(もっと言えば首にかけていた)ヘルメットをコナンに渡す。


「えっ、お兄さんヘルメットは!!?」

『あ？俺は良い。別にサツにバレなければ良いだろ。』

「良くないよ!!!」

『じゃあ、ヤツ追い掛けなくて良いのか？』

「うぅ、」

『バレなきゃ良いんだよ。』


そう言って猛スピードで走り出した。
コナンは振り落とされないようにしがみついた。
前を走る車の間を縫うように走り抜く。
コナンは犯人が乗る車を探しながら、どうか警察に見つかりませんようにと強く祈った。


『お、いたぞ。』

「ホントだ。」

『逃げられると思うなよｫ？』


バイクは更にスピードを上げて車に接近した。
すると、車はスピードを上げた。どうやら追い掛けてきた事に気が付いたようだ。


『ﾁｯ、先回りする。少し運転荒くなる。』

「え!!?」


急に曲がり、道路から細い道をバイクが走り抜く。
障害物が何度か遭遇したけど、それを難なく避ける。
若いのに、バイクのテクニックとかは物凄く上手いのは初対面だけどすぐに理解した。


「ねえ！本当に此方に犯人来るの!!?」

『あ？反対側は工事中だから混雑してんだ。』


確かに、道を曲がる前何m先が工事中だと看板が立てられてたがこの猛スピードのバイクから見れたのだろうか。
まあ、そんな事は如何でもいい。
彼の推測が当たるとなるとこの道を走ってくる事になる。



『お、的中』

「わっ！」


犯人が乗る車を見つけ、車の正面にバイクを停めた。
突然、前にバイクが停まった事で車は急ブレーキを掛けたが制御できず道に逸れてガードレールにぶつかり停まった。


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