［１−３７］ ページ38
智side
「じゃあおやすみ〜」
「おやすみ」
日付が変わる少し前。
歯磨きを終えた雅紀と双子が
それぞれ部屋へ戻っていく。
俺はさっき電話で話した仕事を明日の予定と
確認して期限までのスケジュールを調整。
翔も自分のご飯のお皿を洗い終えたあとで
携帯を開いて明日の仕事の確認をしている。
「よし」
俺のそれが終えたのは、ちょうど翔も
顔を上げた頃で、一緒に2階へ上がってく。
「じゃあまた明日」
「うん。明日」
翔の部屋で立ち止まって声をかければ
穏やかな顔で頷く。
それからまたいつものように目線を下ろして、
パッとすぐ俺の顔へと目線を戻す。
「智にぃ、今日もありがとう」
「ん。こちらこそ、ありがとうね」
「うん」
ふわっと笑った翔に笑い返せば
満足したのかまたコクンと頷いた。
それからお互い目を合わせて。
「おやすみ、翔」
「智にぃも、おやすみ」
言い終えたら翔は静かに自分の部屋に入って
閉まるまでのそれを自室に向かいながら見つめる。
それから一番奥の自分の部屋のドアに手をかけて
そのまま一直線にベッドへ。
そこへ体が吸い込まれれば一気に今日の
出来事が浮かび、眠気がすぐにやってくる。
「……」
うん。
今日も、幸せだった。
眠る直前。
切実にそう思った言葉は外へ零れることなく
意識と一緒に夢の中へと入り込んでいく。
今日も、弟達と過ごせた。
幸せだって思えた。
それだけで俺は十分。
それだけを守れるなら、俺は何も要らないから。
過剰だって思われるかもしれないけど
俺にとってはそれがすごく大事なの。
だから明日もまた、今の時間を大切にしたい。
少しでもその一瞬を放り投げれば、大切なものが
消えてしまうことを俺は痛いほど知ってるから。
そうならないためにも。
また、明日。
小さな幸せでも
5人で大きな幸せに変えられるように。
笑って、笑って、泣いて怒って仲直りして、
そしてそれすら幸せだってまた笑える日を。
そんな
いつも通りの日常を、また明日も。
5人が紡ぐ、幸せな家族のはなしが
永遠に続くようにと
俺は落ちたまぶたの裏側で
その願いを浮遊する意識の中へ込めた。
いつもの日常［END］
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あい(プロフ) - お返事ありがとうございます。私は潤くんが好きなので潤くんのお話も楽しみにしながら読ませてもらいます( ＾∀＾)これからも楽しみにしてます☆ (2019年6月7日 14時) (
レス) id: 2eccc29f15 (このIDを非表示/違反報告)
あやりゅ。(プロフ) - あいさん» あいさん、コメントありがとうございますm(*_ _)mご感想、本当に嬉しくこれからの執筆の励みにもなります！どうかこれからもあたたかい心で彼らのはなしをご覧いただけると幸いです(^^♪ (2019年6月7日 14時) (レス) id: 4f4f43ef84 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちわ、楽しく読ませてもらってます(^^)これからも更新楽しみにしてます☆ (2019年6月7日 12時) (レス) id: 2eccc29f15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年5月25日 0時
