時は瞬間に ページ8
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いつもと変わらない湧の家。
いつも通りの呑み会だった。
湧の一言があるまでは。
｢俺さそういえば彼女できた、｣
さらっと何食わぬ顔で言われた爆弾発言。
私の脳内に届くまでは酷く長く感じた。
黒く取り巻く心に、下げた顔をあげられない。
泣いちゃダメって分かっていても、勝手に溢れそうになる涙に誰か助けてほしい、。
｢まーじか！｣｢俺も彼女欲しいなー！｣
っていつもより大きい黒ちゃんと、うっちーの声にも泣きそうになったけど、ここでは泣いちゃダメ。
｢わく、おめでとう｣
って自分の中の精一杯の笑顔で笑った。
｢湧くん、俺ら1回お酒買ってくるわ｣
って掴まれた腕。掴んだ主を見るとそこにはいっつも笑顔な深田がやけに怒ったような、悲しそうな顔をしていて、
｢え、お酒めっちゃあるけど｣
って声に出した湧の声は聞こえてないかのように、
私のコートと自分のコートだけを持った深田によって外に引っ張られる。
｢ちょっと、ふかだ、待って早い、っ、｣
ってずんずん手を掴まれたまま深田の歩幅で進むから私は自然と早歩きになってて、
手を振り払うとピタッと背を向けたまま止まる深田と
安心したのか、なんだかわかんないけど私の頬を伝う大量の涙。
｢っ、しってたのっ、？｣
｢ごめん、｣
なんで、知ってたなら、、教えてよ。
私の想いを知ってた3人。こんなの裏切りだよ、
｢A待って、｣
深田と辿った道を戻ろうとすると、次は手をぎゅっと握られる。
｢話そ、？ちゃんと、｣
そういうと今度は私の歩幅に合わせて、湧の家とは逆の方向にと2人で足を進めた。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
