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｢俺はAが好き。俺と幸せになってくれませんか？｣
湧の暖かい手が私の頬も心もを熱くさせる。
｢ずるいよ、遅いよっ、わくのばか｣
｢ごめん｣
私の頬から流れる涙が頬を包む湧の手を濡らす、湧の不安そうな辛そうな瞳に胸が傷んだ。
｢わたしね、わくのこと大好きなの、大好きで苦しかったぁ｣
｢わくとずっと一緒に入れたらずっと幸せなんだろうなって、｣
｢なのに、湧が付き合ったって聞いて今まで感じたことのない虚無感とかもうどうやって生きていったらいいのかわかんなくてっ、｣
紡ぐ言葉は不格好だし、わたしは湧みたいに頭の回転が早い訳でもない。でも泣きながら必死に伝える私を湧は私の涙を拭いながらしっかりうんうんって聞いてくれる。
｢そんなときに竜生がずっとそばにいてくれたっ、すっごく安心したし、竜生といるとわたし生きてるんだって思えた、っ｣
｢でもどこかでわくを探してる自分もいたっ、竜生はきっとそれに気づきながらも私のそばに居てくれたのっ、わたしも竜生を傷つけた、、わたしもいっぱい傷つけた、っ｣
｢前にね、みりちゃんに言われたの、、もっと自信を持ってって逃げないでくださいって、だからねもう逃げるのやめにする、｣
｢わくがすき、湧と幸せになりたい｣
そう言うと湧は私の体をぎゅっと抱きしめる。
久しぶりに感じる湧の優しくて落ち着く匂いに心がドクドクする。
｢まじでよかった、もうAと一生話せないと思った、っ｣
って湧の鼻をすする音に私も自然と涙が止まらなくなる。
｢もう絶対離さない。まじで好き｣
またさっきみたいに頬を湧の大きい手で包まれれば｢幸せすぎ｣って呟いて、私のおでこに湧のおでこが重なる。
｢ね、ちかいよ｣
｢顔真っ赤かわい、まじ俺幸せすぎて死ぬかも｣
｢わくすき、だいすき｣
ってまだ頬にある湧の手に自分の手を重ねれば、温かい湧の手が私の冷えた手を握る。
「なぁずるいって、俺もすきだよA」
どちらともなく近づいて初めて湧とキスをした。
ねぇ、いっぱい遠回りしたけど私しあわせになれた。
一番好きな人と幸せになれたよ。
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終わり
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
