・ ページ4
・
｢わくー、お風呂ありがとう｣
お礼を言いながらでると、お酒とかのごみで散らかっていた部屋は片付いててあーこうとこも好きなんだよねって。
｢A眠かったら先にベッド使っていいから｣
｢んー、｣
｢ほんとに分かってんのか｣と困ったように笑う湧はお風呂の方に姿を消した。
｢おーい！全然わかってねえじゃん！！｣
大きな大好きな声でなんとなく深いところに落ちそうになっていた目を開けると、
お風呂からあがったであろうまだ髪の濡れた湧。
やっぱりかっこいいなと思いつつ、ぼーっと湧の顔を眺める。
｢お嬢さん、ドライヤーしないと髪痛むだろ、あとそんなとこで寝たら風邪ひくから｣
ってひとしきり私に注意したあとまたお風呂の方に消えて行った湧はすぐにドライヤーを手にして戻ってくる。
｢ほら、俺乾かしてやるから｣
って髪の毛を触られる感覚と暖かい熱風。
好きな人といっても一緒にいると心地よい湧に安心してまた目を閉じた。
パチッと自然に開いた目。
当たりを見回すとまだ真っ暗、しかも私はベッドの上で湧が運んでくれたんだなって。
ベッドの下に敷かれた布団には湧がすやすやと寝ている。
まだ少し寝ぼけた目で時間を確認しようと携帯を探すとしっかり充電器で充電されてる携帯にまた少しきゅんとした。
液晶画面に表示された時間は4時で、まだ3時間は寝れるなと思いつつもなんだか先程よりも眠くない自分。
なんとなく開いたインスタには、
光ったアイコンが複数。その中の横に並んだふたつのアイコン。
1つは、f_ryuと表記された深田のアカウント。
アイコンは5人で見に行った夜景をバッグにした深田の後ろ姿で光るそれをタップすれば深田の両肩にもたれるように寝てる黒ちゃんとうっちーに『こいつらまじ酔いすぎ』って文字。
もう1つは、waku_26と表記された湧のアカウント。
湧のアイコンはイルミネーションを2人で見に行った時に私が撮った横顔の写真で、そのアイコンは緑色に光っていてタップすると出てくる私の手。
もちろん私の手なんだけどその手はしっかり湧の手を握っていて『赤ちゃんすぎた』と書かれた文字になんだか全身が暑くなった気がした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 892人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
