変わりゆく時間を感じて ページ16
・
深田とAちゃんと今日はバイトが被っていて、
今日はいつもより大繁盛する店。
年齢は問わず、深田とAちゃんは愛嬌がよく、コミ力高めだからと2人に会いに来る常連客も多いこの店。
でも、少し前から感じる違和感に俺も気づかない訳はなくて、
前より、2人のシフトが被ることが増えたことも、
お迎えが元木じゃなくなったことも、
Aちゃんのインスタから元木が映る写真が全て消えたことも、
その代わりにAちゃんと深田のインスタにお互いがあがる頻度が増えたことも、
俺が違和感を感じるのには十分すぎるくらいだった。
そして、前よりもなんだかもっと距離が近くなったそんな気がする。
Aちゃんは大学で1番初めに俺の耳に噂がまわってきた人だった。
『早速男を喰い散らかしてる女がいる』って。
だから、最初は俺もバイトが同じだったことに嫌悪を抱いていた。
でもそれは噂に過ぎなくて、真面目で愛嬌があって、どんなに忙しくても笑顔で、ああきっと妬みだったんだなって。直ぐにそう感じた。
｢ねぇ、Aちゃんって彼氏いんの、？｣
｢おりがそんなん聞いてくんの珍し、｣
｢別に、気になっただけ、｣
興味。ただの興味本位だった。
同じ学部の黒ちゃんに問いかけた質問はあまりにもあっさりと答えられた。
｢A彼氏いないけど好きな人いるよ。まぁ多分両想いだろうけどねー｣
って携帯を弄りながらそう言った黒ちゃんも何だかちょっと寂しそうなそんな気がした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 892人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
