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私たちは他愛ないおしゃべりをし、恋人のように指を絡めたり、肩に寄りかかったりした。
どうしてか全然抵抗がなかったし、彼女も耳を赤らめ、ぎこちない仕草で私にふれてくれる。
奇妙な関係だとわかっていた。
ときどきとおくを見るような彼女の目線について、訊いてもこたえてくれないこともわかっていた。
でも、ただの夢なんでしょう?
「さあ、もうさよならだ。私はまたここで待ってるよ」
「……もうそんな時間?」
「残念だけどね」
そういって彼女は肩をすくめる。
行っておいで。
その声に抱きくるめられるような白い光があふれて、眩しさに耐えきれなくなって、私はいつも目が覚める。
今日も仕事だ。
あの人にいい報告ができるようにがんばらなくちゃ。存在しない、私の好きなひと。
イマジナリーフレンドってやつだろうかと考えたことがある。そんなにまずい域に達しているなら、カウンセリングを受けるべきなのでは、と。
それでも私はあの人を選んだ。今のこの状態がまずかったとして、それを救ってくれているのは間違いなく彼女だ。
当然のように消えた小舟を引き出しにしまう想像をした。
大丈夫。今日も頑張れる。
*
転落は予知できないもの。
よくわからない。わからないけど、社内で私を嫌っている人がいることは知っていた。
全員と気が合うなんてありえないと思っていたし、特に危害もなかったのでぼんやりしていた。馬鹿だった。
その同期が私の悪質な噂を流した。上司と寝たからプロジェクトに参加できた、とか、成績を改ざんした、とか、そんな突拍子もない噂。
幸いメンバーから外されることはなかったけれど、色んな人が私をそういう目で見るようになった。
本当に突然すぎて涙も出ない。でも、確実に心が擦り減っていくのを感じた。悔しい。どうかしてる…。
「…会いたい……」
帰るなりベッドに伏せた私は呟いて、鉛のような体が沈んでいくのを感じた。
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匿名名無し - 綺麗な文章で読みやすかったです。新作楽しみにしています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 9083184134 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» 私も!いんこぷりんさんが大好きです!!こちらこそ応援してます、今度は私がいんこぷりんさんの作品にコメントしに行っちゃいますね(..*) (2020年12月2日 17時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - べりるさん» お互い強く生きていきたいですね…!わー!そうなんですか!キュンキュンして頂きありがとうございます!(感涙)本当にべりるさん大好きです…!これからも応援してます!(*^^*) (2020年12月1日 21時) (レス) id: a01a78f710 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» う〜〜〜温かいお言葉ありがとうございます…染み渡ります…TT いんこぷりんさんもよくぞご無事で!!(?)ずっといんこぷりんさんの作品拝見してます。どんなネタでもキュンキュンで、最っ高です…。私も久しぶりにお話しできてうれしいです! (2020年11月30日 20時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - やっぱりべりるさんの作品は本当に最高です!私も本誌の展開でかなり落ち込んで泣いたりしてました…。なのでべりるさんの事もとても心配していました。久しぶりにお見かけ出来て良かったです!嬉しいです! (2020年11月30日 10時) (レス) id: aafc5c7127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べりる | 作成日時:2020年5月4日 16時