りんねの先に ページ39
「あなたとりんね」の後日談です。
ぜひそちらをお読みになってからご覧ください。
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「いいよ、A
イって」
「ひ、あぁっ、ハンジさ…!」
荒い息遣いだけが響く。
乱れた髪、どろどろにとろけた私たちの表情。
ベッドには愛の跡がにじんでいた。
「はは…かわいい」
「…なんか今日、激しかった」
私がそう囁くと、ハンジさんは一瞬顔をゆがめる。
「…ねえ、Aは今幸せ?」
「え?はい、とっても」
「そっか」
彼女は絡めた指に力を込め、泣きそうな瞳で私を見た。
「どうかしました?」
何か変だ。
この人は昔からいつも一人で思い悩む。
笑い飛ばしてくれていいよ、と前置きして、ハンジさんは口を開いた。
「Aが前世の記憶に囚われていて、今のこの関係は、過去の感情に引っ張られているだけなのかもしれないって…たまに考えちゃうんだ。
ごめん、忘れて」
私は目を丸くした。どうしてそんなことを?
「ハンジさん」
沸々と滾るこの感情は、怒りか悲しみか。
なんにせよ、この愛しい恋人に伝えなくては。
私は上体を起こし、ベッドの上に座り込む。
「今までそんな風に思っていたんですか?
私からのキスも、言葉も、行為も、ぜんぶ過去の産物だって」
「そういう訳じゃ」
「私は…っ!新しい世界で、新しい人生を歩んでいます。
何回でもあなたに惚れ直して、今ここにいるんです……」
こんなに想いを吐露したのは初めてだ。
鼻の奥がツンと痛い。
「…ごめん」
差し込む月灯りがハンジさんをやわらかに照らす。
綺麗。
あなたのその鷲鼻も、唇も、切なげに揺れる心も。
「ばかだなあ…。そんなところも好きです、ハンジさん」
絞り出すような長い溜息。
ハンジさんは起き上がり、端正な顔を私の首筋に埋めて印をつける。
「ん…っ」
「A。来世もその先も永遠に、私の傍にいて欲しい」
どんな呪いより強く、どんな祈りより切実な響き。
私はそれを甘受し、返事の代わりに口づけを贈った。
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「私たち、素っ裸でなにやってんだろうね」
「ハンジさんが変なこというから…」
「…わかってるよ。
明日休みだし、もう一回シとく?」
「なんっでですか!
私は午後から講義ですけど!?」
「ちぇー…」
「ひゃっ……だから!触るな!」
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匿名名無し - 綺麗な文章で読みやすかったです。新作楽しみにしています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 9083184134 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» 私も!いんこぷりんさんが大好きです!!こちらこそ応援してます、今度は私がいんこぷりんさんの作品にコメントしに行っちゃいますね(..*) (2020年12月2日 17時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - べりるさん» お互い強く生きていきたいですね…!わー!そうなんですか!キュンキュンして頂きありがとうございます!(感涙)本当にべりるさん大好きです…!これからも応援してます!(*^^*) (2020年12月1日 21時) (レス) id: a01a78f710 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» う〜〜〜温かいお言葉ありがとうございます…染み渡ります…TT いんこぷりんさんもよくぞご無事で!!(?)ずっといんこぷりんさんの作品拝見してます。どんなネタでもキュンキュンで、最っ高です…。私も久しぶりにお話しできてうれしいです! (2020年11月30日 20時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - やっぱりべりるさんの作品は本当に最高です!私も本誌の展開でかなり落ち込んで泣いたりしてました…。なのでべりるさんの事もとても心配していました。久しぶりにお見かけ出来て良かったです!嬉しいです! (2020年11月30日 10時) (レス) id: aafc5c7127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べりる | 作成日時:2020年5月4日 16時