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外伝29 ページ43

ジェベリアは鏡に映る自分をじっと見つめている。マロモから貰ったハロウィンの仮装が似合っているか確かめているのだ。

 黒とオレンジの配色のドレスを脱ぎ捨てる。どうやらデザインが幼すぎるため、あまり気に入らなかったらしい。膝丈なんて子供しか着ないわよ、と小さく舌打ちしながらごちて、ジェベリアは次の衣装を取り出す。

 今度は豪奢な飾りのついた紫のドレスだ。ジェベリアはデザインを気に入ったらしい。早速着てみようとしたが、今度は翼が引っ掛かって着る事ができなかった。苛立たしげに投げ捨てる。

 本来ジェベリアは服を着る必要はない。人間のように見えるこの身体は、皮膚や筋肉を歪めてそう見せかけただけのものだ。この力を応用すれば、皮膚を服のように見せかける事など造作もない。それをしないのは脱がせる楽しみを損なわせないためである。ジェベリアは夫の好みをある程度把握していた。

「うわぁ、こんなのもあるの?」

 やたらと露出の多い服……いや、もはや服とすら言えないような紐を見ながらジェベリアは思わずそう呟いた。これはとても着られない。

 投げ捨てて、次の服を見る。しかしどれもあまり気にくわない。ジェベリアは困ったように唸った。

 というか仮装する意味なんてある?私達は怪物なんだから、何もしてなくても仮装してるようなものじゃないの。ジェベリアは言って、投げ捨てた服の掃除を始めた。マロモに返した後で、自分で買いに行こう。

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(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月28日 23時

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