外伝3 ページ17
「ダーリン、ちょっとお願いがあるんだけど」
ジェベリアがジョンにその依頼をしたのは、ほんの気まぐれだった。
最近、顔見知りの何人かがイメージチェンジをしていたのだ。とは言っても、そこまで劇的なものではない。友人のティターニアが髪をハーフアップにしていただとか、マロモが全裸徘徊をするようになっただとか、同僚のマキナが恋人と同じ香水をつけていただとか(マキナは否認していたが、恋人みたいなものだろうとジェベリアが勝手に思い込んだ)。
彼女らだけではない。そのような、ちょっとしたイメージチェンジが、職場で流行っていたのである。ジェベリアが今までそれをしなかったのは、長期の出張のためだった。
「良いけど、オレはあまりそういうの慣れてないよ?」
「構わないわ。ほら早く」
化粧品や薬品の置かれた化粧台の前に座り、櫛とヘアゴム、ヘアピンなどを手渡す。ジョンは仕方ないねぇ、と、ジェベリアの髪を一房手に取り、ゆっくりと編み始めた。
そしてその十数分後、できあがったのは丁寧な編み込みであった。腰元まで伸びていた髪が、ヘアピンとヘアゴムですべて綺麗に編み込まれている。ジェベリアは鏡でそれを見る。端麗な顔をした彼女によく似合っていた。
悪くないわね、とジェベリアが言うと、お気に召して何よりだよ天使ちゃん、とジョンはいつもの調子で答えた。
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夜(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)
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