検索窓
今日:31 hit、昨日:11 hit、合計:205,873 hit

138話 ページ42

.


A「...呼吸が浅くなってる.....久美ちゃん、大丈夫だからね。」


そう言ってAは回復体位へすべく久美の身体をゆっくりと横へ倒す。




そして腕時計へチラリと視線を落とした。





A「...痙攣が始まってからおよそ5分...」


ギリ、と奥歯を噛み締めていた時、外から声が聞こえてきた。








五十嵐「安藤先生!!聞こえますか!?五十嵐です!!」




A「...!!...はいッ!!」







五十嵐「久美ちゃんの今の状態は!?」


A「痙攣が続いています!恐らく5分くらいです!!」



五十嵐「呼吸はどうですか!?」


A「かなり浅いです!回復体位をとらせています!!」



五十嵐「呼吸が浅いなら下顎挙上にしてみてください!!」



A「...!!...わかりました!!」





...確かに、気道確保が最優先だった...

焦りにより最良の選択肢を選べなかったAは自身に僅かな憤りを感じたが、今はそんなことを気にしている間もない。




五十嵐「万が一嘔吐したら窒息や誤嚥の可能性があります!その場合はすぐに回復体位に切り替えてあげてください!!」


A「はい!!」




「久美ちゃん、しっかり」と声をかけながらドアが開くことを待つA。









しかし、ドクリ、と心臓を握り締められるような、あの感覚に思わず胸に手を当ててしまう。




A「...ッ!!...また.....」









...患者が苦しんでいるのに...自分の体調管理不足のせいで死なせるの?









冷や汗が傳う。








"失敗"は"死"を意味するのに。









ドクリ、ドクリと不吉な音が感覚を狭めて迫ってくる。




A「...嫌だ.....嫌だ...」









そんな中、"光"はまた私を救おうとする。







五十嵐「安藤先生!!聞こえますか!?今ドアを開けます、出来るだけ離れてて下さい!!」








A「.....わかりました...!」









五十嵐「ジアゼパムと酸素、あとストレッチャーと救急カート、それと小児科の先生を呼んでください!!」






こんな時でも、五十嵐さんは落ち着いてる.....









やっぱり.....五十嵐さんは.......



A「すごい...な.....」









エレベーター内に"光"が刺し、彼のシルエットが見えた刹那、意識が遠のいた。









慌ただしい声が聞こえる中、私が倒れないように誰かが支えてくれているような、そんな暖かさに身を任せてしまいそうになった。






.

139話→←137話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (156 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
920人がお気に入り
設定タグ:ラジエーションハウス , 五十嵐唯織 , 窪田正孝   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。