137話 ページ41
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A「小野寺さん、久美ちゃんを見つけました。」
内線電話で小野寺へ告げると、彼は「本当か!」と言って安堵の息をついた。
A「はい!今一緒にエレベーターに乗っています。無事ですのでご安心ください。.....うわッ!?」
ガコン、という歯車が外れたような音と共にエレベーター内に衝撃が走る。
小野寺『...もしもし、どうした?』
A「エレベーターが急に止まってしまったみたいで...」
小野寺『...!...今何階だ?』
A「恐らく地下1階のラジエーションハウス前、」
そこまで言いかけると、隣に立っていた少女が膝から崩れ落ちた。
A「久美ちゃん...?...久美ちゃん!?」
内線電話を床へ放り、呼吸が荒い少女の顔へ耳を近づける。
...!!...このタイミングで発作...!?
Aはバッと立ち上がり、倒れてしまった点滴スタンドから点滴を少し高い位置の手すりに食い込ませる。
A「久美ちゃん、聞こえる?...久美ちゃん!!久美ちゃん!!」
肩を揺すり、痙攣を起こしている久美へ呼びかけるが反応はない。
Aは放り投げた内線電話を取り、耳に当てながら脈拍などを確認していく。
A「小野寺さん!!久美ちゃんが発作を起こしました!出来る範囲の処置を行いますので、外から開けないか試してもらえませんか!?」
小野寺『このタイミングで発作か...まずいな...わかった!』
了解の返答を聞くとAは久美の容態の変化を逃さぬよう慎重に手当をしていく。
しばらくすると外からガン、と何かがぶつかるような音が聞こえ始めた。
きっと外から開けようと努めてくれているのだろう。
A「...今ここで私が出来ることは、久美ちゃんの命を繋ぐことだ。」
小さく深呼吸して、意識のない少女へ再び向き合った。
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時