130話 ページ34
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鏑木「...再検査の必要はありません!この虫垂が腫大してるんだ!!これは明らかに虫垂炎だろう!!」
五十嵐「いやしかし、」
鏑木先生の言葉を遮ると、彼は顔を顰めた。
鏑木「私の診断に間違いがあるとでも?」
僕は鏑木先生の瞳を見て真っ直ぐに応える。
五十嵐「いいえ。.....濁ってるんです。」
鏑木「...なっ!...なんだって!?」
僕は病変の説明をしようと口を開く。
しかし、それは軒下さんの叫び声によって掻き消されてしまった。
軒下「お、オイ!!!鏑木先生の目が濁ってるわけないだろッ!!」
五十嵐「え、あ、そういうわけじゃなくて、」
鏑木「...診断するのは医師である私だ!技師の君にその権限はないといくら言ったらわかるんだ!!...カンファレンスは以上!!!」
五十嵐「いや、あの!今の違うと思います...!」
そう言って鏑木先生を呼び止めようと励むが、悠木さんと威能さんに押さえられていることに気が付く。
五十嵐「ちょ、え?え?...ちゅ、虫垂炎じゃないと思います!!」
悠木「ハイハイわかったわかった。」
そのまま僕は2人に引っ張られ会議室から出されてしまった。
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その後、僕は技師長に呼び出されラジエーションハウスのソファへ腰をかける。
小野寺「言ってることとやってること全然違うじゃねェか...鏑木先生の前で医者みたいな口聞いちゃってよ。」
五十嵐「...すみません。」
小野寺「ったく...みんなにバレるよあのこと...」
はあ、と溜め息を技師長がつく。
「あのことって何ですか?」
僕はビクリと肩を動かした。
そこには首を傾げた広瀬さんの姿があった。
小野寺「...あーいや、何かさ、」
五十嵐「えっ!ちょ、技師長...!」
すると技師長は広瀬さんへ「しーだぞ?」と口元へ人差し指を当ててから僕を指して応える。
小野寺「コイツ水虫なんだって。」
広瀬「...へっ!?」
み、水虫...!?その誤魔化し方はいくら何でもないでしょう技師長...!!
広瀬さんは顔を引き攣らせながら僕へ視線を向けてくる。
五十嵐「ちっ違います!!それは技師長でしょう...!」
咄嗟に技師長へなすりつけてしまったが、広瀬さんは何故か「ああ、通りで最近...」という意味深な言葉を残して去ってしまった。
小野寺「...何だよ通りで最近って。...で?さっき鏑木先生に何言おうとしたんだよ。」
五十嵐「...!...それはーーー」
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時