127話 ページ31
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A「.....」
小さく溜め息をつきつつAは資料をファイリングしていると、隣に気配を感じ、顔を上げる。
A「...!.....小野寺さん、どうかされたんですか...?」
小野寺「...アンタさ、何か気にしてるみたいだけど...俺は安藤先生が優秀な放射線科医だってこと以外、何も思っちゃいねェよ。」
A「...!」
それだけ彼は告げると、私の肩を2回ほど軽く叩きカンファレンスルームから去っていった。
五十嵐「伊東さん。」
後ろから囁くような声が聞こえ、私は声の主である彼の方へ振り返る。
五十嵐「技師長は...その.....伊東さんのことを信頼してますから。ちゃんとわかってくれてますよ...!」
そう言ってふわりと彼は微笑む。
A「...!」
もしかして...五十嵐さんが小野寺さんに話してくれたのかな...
Aは五十嵐の優しさに胸がきゅっとなるのを感じつつ、頬を緩ませる。
A「五十嵐さん、ありがとうございます...!」
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読影室に戻り、先程までに終えた読影の見直しを行っていると、ノック音が3回ほど聞こえ、そちらに視線を向ける。
たまき「コレ、さっきのカンファレンスの資料。ここ置いとくから。」
A「あ、すみません。ありがとうございます。」
ドン、と置かれた資料の山へ手を伸ばそうとすると何やら視線を感じてその手を止める。
A「...私の顔に何かついてます?」
たまき「...いや?別に。.....ただなーんか微笑みあってたし順調なのかな〜って思っただけ。」
A「...順調...?何がですか?」
首を傾げるAを見て若干の苦笑を浮かべるたまき。
たまき「ホ〜ント鈍感。...恋愛してるくせに。」
A「...!?...れっ恋愛!?ち、違います!...そんなんじゃ、」
...いや、恋愛、なのだろうか。
確かに五十嵐さんのことは"尊敬"だけじゃなくて、その...男性として.....好き、なんだろうけど...
"恋愛"と表現されると、やっぱりどうしても意識をしてしまう。
「医療現場で恋愛なんて...」と呟き頬を染めた。
「悪くないと思うけどなぁ。」
A「...ッもう!からかわないで下さ、」
辻村「俺は全然アリだと思うけど?」
いつの間にかたまきの姿は無く、そこに立っていたのは爽やかな笑みを浮かべた外科医辻村であった。
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時