124話 ページ28
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A「諦めなくていい...?」
一体どういうことなんだろう、と思いつつ読影室へ足を進めるA。
するとその時小野寺とすれ違い、軽く会釈をして通り過ぎようとした。
小野寺「...安藤先生、ちょっといいか?」
A「...?...はい、どうかされましたか?」
小野寺はその場では特に何か応えようとはせず、Aを連れてラジエーションハウス内の放射線室へ向かった。
五十嵐「...あ いと.......安藤先生...?」
五十嵐はバッと"伊東"と言いかけた口元を右手で覆う。
咄嗟にAは誤魔化そうと彼へ笑いかけた。
A「.....五十嵐さんまた何かやらかしたんですか〜?」
五十嵐「.....いやいや、僕は何も...」
小野寺「.....」
そんな2人の様子を無言で見つめた後、腕に抱えていたタブレット端末を触り、再び視線を戻した。
小野寺「お前らさ.....何者なんだ?」
そう言って小野寺はタブレット端末を2人へ手渡す。
A、五十嵐「...!!」
2人は目を見開いた。
画面には、かつてAと五十嵐が所属していた研究チームのホームページが表示されている。
そこには白衣に袖を通し、ピレス教授などを含む複数の医者と共に写った五十嵐の姿があった。
小野寺は画面をスクロールして、その先の部分をAへと見せる。
A「...あ、」
五十嵐「...!!」
そこに写っていたのは、まだあどけなさが残る自身の写真。
そして、その下にはこう書かれていた。
汎用人工知能(AGI)研究チーム所属
と。
小野寺は五十嵐の方へ向き、問いかける。
小野寺「...もしかしてさ、お前医者か?」
五十嵐「.....い、いや、えっと...」
タブレットを握ったまま視線を泳がせる五十嵐。
すると小野寺はため息をついた。
小野寺「...ったく...何で隠してたんだよ...」
五十嵐「すみません...」
それを聞いた後、小野寺はAへと視線を動かす。
小野寺「...で、安藤先生は.....いや、伊東先生って言うべきなのか?.....
A「...あ.....はい...」
五十嵐「.....」
バクバクと心臓が脈打つ。
また、私は"悲劇の秀才"になってしまうのだろうか。
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時