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123話 #8 ページ27

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翌日の朝、私はまた屋上へ足を運んでいた。




昨日、彼はここで私の話を聞いて涙を流し、そして私を抱き絞めた。


思い出す度、胸が苦しいと私へ訴えかける。




私は小さく息を吐いて、手すりに体重をかけて項垂れる。









「なーに黄昏(たそがれ)てんの?」




A「...うわあ!」





突然耳元で声が聞こえ、叫び声を上げてしまう。


振り返ると、そこにはたまきさんの姿があった。






たまき「...反応の仕方アイツと一緒じゃん。」


A「え?」




彼女の返答に小首を傾げると、たまきさんは「何でもなーい」と言って目を逸らした。





たまき「...で?何でそんな浮かない顔してるわけ?」



A「えっ...いや、その...」





どうしよう、と内心若干の焦りを覚えていると、たまきさんは口角を上げて問いかけてくる。





たまき「何?五十嵐のこと?」





A「えっ!!!.....あ...」






五十嵐さんの名前が出てきたことに驚きビクリと反応してしまう。


...これは完全に気付かれてしまった.....たまきさんニヤニヤしてるし...




たまき「ふ〜ん?」





A「...何でわかったんですか...」



たまき「え?だってアンタわかりやすいもん。」




A「えっ。結構ポーカーフェイスは上手い方だと自負してたんですが...」





小さくため息をついた後、私は「言わないでくださいね」と前置きしてから口を開く。









A「...気付いちゃったんですよ、五十嵐さんへの想いが"尊敬"だけではなかったことに。」






そう言って私は微笑む。








今、悲壮感は隠せているだろうか。








たまき「...で?どうすんの?」




私はまた思わず「えっ」と声を漏らしてしまう。


A「ど、どうするって...どうもしませんよ。だって叶わないじゃないですか。五十嵐さんは甘春先生のことが.....」







たまき「...は?」





A「へ?」





私は2回程瞬きをした。

すると彼女は長いため息をつきながら呆れたように尋ねる。




たまき「アンタさ、それ本気で言ってんの?」



A「...えっ、だ だって、」



たまき「...はぁ〜。可哀想なくらい鈍感。」







彼女の言葉が私には理解出来なかった。




たまき「...若いって良いわねホント。ま、とにかくそんな簡単に諦めなくていいと思うけど?」





それだけ言い残してたまきさんは屋上から去って行った。




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設定タグ:ラジエーションハウス , 五十嵐唯織 , 窪田正孝   
作品ジャンル:恋愛
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時

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