115話 ページ19
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そこからわたし達の生活は一転してしまった。
元々ノイローゼを患っていた母は、"ガン"への恐怖感によりさらに症状を悪化させてしまう。
わたしに隠すことなど出来ない程、母は病んでしまった。
A「...ねぇ、お母さ、」
母「...A、ごめんね.....ッ」
声をかけても、返ってくるのは嗚咽混じりに呼ばれる名前と「ごめんね」という言葉だけだった。
A「...!...お父さん!...お母さんが、わたし、どうすれば、」
母がおかしくなってから、父が帰宅する時刻も日に日に早くなった。
帰ってきたばかりの父の元へ向かうと、わたしを安心させるためか頭へ軽く手を乗せた後微笑んだ。
父「大丈夫、お母さんのことは心配しなくていいから。」
A「.....うん。」
寂しさをぐっと押し殺し、わたしが小さく頷くと父も「ごめんな」と謝った。
父「...ほら、もうすぐAの誕生日だろう?その日はお父さんも仕事が休みだし、3人で誕生日パーティをやろう。...誕生日のAに頼むのは変だけど、お父さんと一緒にケーキを作らないかな?」
A「...!」
父「それにちゃんとプレゼントも用意してるからな〜!楽しみにしてるんだぞ!」
A「...うん!」
父はわたしの笑みを見ると嬉しそうに笑った。
そして、笑顔のまま泣き続ける母の元へ一緒に向かった。
母へ少しでも不安を見せないように、大丈夫だって心から伝えるために。
A「.....」
でも、本当は知ってるんだ。
お父さんが誰もいない夜のダイニングテーブルでひとり泣いていたことを。
誰にも見られない場所で、笑顔の仮面を剥がしていたことを。
...ああ、なんだろう。
今まで幸せだった全てが、壊れて行くみたい。
神様は残酷だなあ、どうしてこんな理不尽な世界を創ってしまったんだろう。
後に私が嘆いたことを、もうこの時の"わたし"は気付いていたのかもしれない。
そんな違和感と共に、わたしは誕生日を迎えた。
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奏奏奏(プロフ) - きぇぇぇぇ!!さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - レナさん» ありがとうございます!励みになります´`* (2019年7月30日 18時) (レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
きぇぇぇぇ!! - ラジエーションハウスは大好きな作品(?)なので頑張ってください!(?) (2019年7月30日 17時) (レス) id: 5d428d39a9 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 待ってました。これからも頑張ってください。 (2019年7月16日 22時) (レス) id: 869c734d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏奏奏 | 作成日時:2019年7月16日 19時