壊れても (ページ10)

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また、ドアが開く。

大橋「おはよー！」

藤原「おはよ。」

西畑「おはよー。」

謙杜とみっちー寝てるんで、と小声で言うと三人は頷く。

そして丈くんと大橋くんはソファに腰掛ける。

大吾くんは椅子を引いて座り、台本を開いた。

俺らにしては珍しく、静かな楽屋で各々過ごしていると、

スタッフさんが連絡しに来た。

スタッフ「大西さんの仕事、大分押してるみたいなんで収録始まるの遅らせます。」

誰も後に仕事が詰まっていなくて、別日にはならず安心する。

結局りゅちぇが来たのは収録が始まる予定時間よりも1時間近く後だった。

大西「遅くなりましたー！ごめんなさい！」

はぁはぁ、と息を切らしながら楽屋に飛び込んでくる。

お疲れー、とみんなで声を掛け収録の準備をする。

収録が遅れたおかげで眠れたらしく、謙杜の顔色は多少良くなっていた。

長尾「高橋くん肩貸してくれてありがと。」

高橋「全然、体調よおなったなら良かったわ。」

結局収録が終わったのは予定よりも1時間半ほど遅くなった。

りゅちぇはたくさんのスタッフさんに遅くなってすみません、と詫びを入れに行っている。

流石しっかりしてんなぁ、と少し尊敬してしまう。

前の仕事が押したのは、聞いている限り決して彼のせいではないのにああできるのはすごい。

一つ一つこういうことを積み重ねて信頼は勝ち取るのだな、と先輩から学ばせてもらう。

楽屋で帰り支度をしているとドアが開き、

りゅちぇが帰ってきたんかな、

そう思い顔を上げた。

そこにはお世話になっているプロデューサーさんがいた。