検索窓
今日:19 hit、昨日:47 hit、合計:67,634 hit

26 ページ29

俺らがもう少し幼かった頃、

まだ俺と長尾の目線が同じぐらいだったときに、

恋人できた!と俺らに嬉しそうに話してくれたことを思い出す。

それが一回ではなかったことも。

Subの子やねん!オレがリードするんや!とも

Domの人やねん!オレのこと守ってくれるんよ、とも

輝くような笑顔で言っていた。

……でもその数ヶ月後には泣いているのだ。

オレのせいや、って。

18になると抑制剤を購入する規制が緩くなり、

病院でも処方してもらいやすくなる。

その頃から彼が恋人を作ることは一切なくなった。

なにわも忙しくさせてもらっとるからな、と笑い、

寂しがりやで末っ子気質な彼だから絶対に心細いはずなのに、

誰にも頼らず白い錠剤を毎日流し込んで本能を抑え込んでいた。

そんな長

Normalやから、Switchやから、なんて。

窮屈だ、世界は。

カシュッ、とこんな場に不釣り合いな音がした。

高橋「謙杜、乾杯しようや!」

な?と缶を突き出す恭平は俺が見てきた恭平と違う。

大好きな人に触れる術を持って強くなった。

涙目の長尾も缶を開け、突き出す。

コツン、と控えめに当てた缶。

かんぱぁい!と恭平は無駄に大きい声を出す。

うまいなぁ、みっちーありがと、と言い、

ごくごく、と一気に飲み干す。

高橋「大丈夫や!なぁ!」

空元気なのは彼も承知だ。

薬は長尾の身体を蝕んでいくだろうし、

本能には逆らえない。

でも、どうにもできない時は根拠なんて忘れるのが一番だ。

大西「恭平適当やなぁ(笑)」

道枝「そうっすね(笑)」

大西「…でも、、そういうやつも必要なときあるよな。」

流星くんの呟きに俺は大きく頷いた。

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
170人がお気に入り
設定タグ:NNW , A! , BL
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:哀川樹 | 作成日時:2022年9月30日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。