Sorry,I...(3)

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side:You









冷たい風に体が包まれて
少し遠くを見ると太陽は沈みかけている









「...遅いな」







.









辺りを見渡すと
幸せオーラ全開のカップルで溢れ返っている







.







今までだったら、こんな光景直視出来なかった
切なすぎる恋をしてたあの頃






懐かしいくらいに良い思い出









.






でも今は違う








愛を教えてくれる人に出会えた
愛を注ぎたいと思える人に出会えた








.









真『A』








ただ、真っ直ぐに
私を見つめて私だけを愛してくれる人







.









そんな彼を、愛しい彼を









クリスマスだっていうのにバイトを入れて
しかも待ち合わせに遅れている彼を待つ








.









「...ばか」









そう呟くと
小さな声と一緒に白い息が舞う







.







前を行き交う人たちをぼーっと見ていたら
向こうから走ってくる人影






.









真「ごめん、待たせたな」









.









息を切らしながら眉を下げて謝る彼を見たら
遅刻を咎める気なんて失せて








仕方ないな、なんて思ってしまうのは惚れた弱みだ







.








「バイト長引いた？」



真「いや、髪のセットに時間かかった」



「そっちかい(笑)」









冗談っぽくそう言いながらも







いつもよりおしゃれな髪型とか洋服とか
普段よりもカッコいい真司郎に胸が高鳴ったりして






.






私だってこの日のために精一杯、可愛くしてきたつもり





.






髪の毛だってくるくる巻いて
クリスマスだからチークやリップを赤にして






真司郎の隣に恥じない格好のはずだ







.









真「じゃあ、行こか？」









そう言って差し出された手に
迷いもなく自分の手を重ねた







.







あぁ、わくわくする
あなたは私をどこへ連れていってくれるんだろう








真司郎が連れて行ってくれるなら
どこでも、私は一緒に着いていくから







.









真「あ、そうや」









半歩先を歩く大きな背中を見ていたら
ぱっと真司郎が振り返って









真「今日のA、世界で一番可愛い」









無邪気な笑顔で
いつだって私が欲しい言葉をくれるの









「(...敵わないなぁ)」









.

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