寮長と副寮長 ページ42
それにしたって、相も変わらずこの人魚たちの関係性は不思議すぎる。
主従に見えて、その実全員がそうは思っていない。
それはジャミル先輩も同じようで。
ジャミル「それなのに今は君が寮長？
随分と不思議な関係だな。」
フロイド「そぉ？今はアズールの言うこと聞くのが面白いからそうしてるだけぇ。」
アズール「ジェイドもフロイドも、僕に服従している気はないんでしょう。
彼らにとっては、そういう"ごっこ遊び"なんですよ。
そこに明確な主従関係がない以上。
僕がリーダーとして間違ったりつまらない選択をしたときは
2人はあっさり僕から離れ、寮長の座を奪うはずです。
まぁ、挑まれても負ける気はしませんが。」
フロイド「俺らも挑む予定はないけどねぇ〜今のとこは。あはっ。」
ジャミル「……あくまで君たちは対等な関係、なんだな。」
フロイド「今は面白いから一緒に居るし
つまんなくなったら一緒に居なくなるってだけ。
つーか、副寮長は寮長の家来じゃないし…普通じゃん。」
面白いものがすべて、なのか。この3人は。
通りでジェイド先輩が僕を嫌っていた時は
つまらないものを見る目で見ていたわけだ。
今となってはなぜか気に入られているけど。
ジャミル「…俺には理解できない。
主人は主人で、従者は従者だ。恐らく一生な。」
アズール「……」
『……なるほど。』
ここまで聞けば、もう僕の馬鹿げた望みが敵わないのは察しがついた。
僕だけでも部屋に戻って休もうと立ち上がると
それと同時に、どこかに行っていたジェイド先輩と
"お話し"していたであろうカリム先輩が談話室にやってきた。
カリム「お前ら、まだ遊んでんのか？」
ジャミル「えッ…なんで、寝たはずじゃ…
どうして、独りでふらふら歩くなといつも…」
カリム「心配性だな、ジャミルは。
大丈夫だよ。ジェイドも一緒に居たし。」
ジェイド「はい。ずっとカリムさんのお傍にいましたよ。
カリムさんは親切な方でして、いろいろ丁寧に教えてくださいましたよ。」
ジャミル先輩の顔が強張っていく。
器用な詮索も、ジェイド先輩に全てかわされる。
本当に、味方になると心強すぎるな。この人は。
ジャミル「…ッ…カリム、戻ろう。」
カリム「ッえ…何だよ急に…」
ジャミル「良いから戻るぞ！」
カリム先輩の言葉も聞かず、強い力で腕を引き
僕らから逃げるように、2人で談話室を出ていった。
そして、その光景を見たジェイド先輩と
アズール先輩が、僕の肩に手を置き
「「予想的中です。」」
愉快そうに、そう囁いた。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
