止めどない言葉 ページ34
あのまま、フロイド先輩の腕の中で眠ってしまったのだろう。
目が覚めたときには、VIPルームのソファの上で
毛布を掛けられて、眠らされていた。
あれ…昨日、オクタヴィネルに突撃してから…どうしたんだっけ。
ジェイド「おや、お早いお目覚めで。
おはようございます。」
『え…っと…ジェイド先輩…？』
もう一つのソファに座り、紅茶を飲みながらこっちを眺めていたジェイド先輩。
僕、この人に物凄く嫌われていた覚えがある。
まぁ、どうでもいいけど。
迷惑をかけたわけだし、謝っておこう。
ジェイド「昨日は大変だったようで。」
『あぁ…そんなことは…
あの、昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。
すぐ出ていきますから、どうか…グリムだけは…』
ジェイド「……僕は、貴方のそういうところが嫌いだと言っているのですが。」
『え…』
ジェイド「昨日、貴方が僕たちに助けを求めて来たときは
貴方でも恐怖を感じるのだと
ちゃんと自分があるのだと思ったのに、拍子抜けです。」
ティーカップをソーサーに置いて、立ち上がり
呆然とした僕の近くに寄ると
僕の左頬に手を添えて
しっかりと、眼を合わせた。
『ジェイド先輩…？』
ジェイド「…Aさん。貴方がその気なら、嫌でも吐かせてあげますよ。
僕の左目を見て。
『そんなに怖がらないで、力になりたいんです。』
『
『……ぁ…』
意識がかすむ。
微かに残っていた警戒心が、勝手に解けていく。
なんだ。この人の、ユニーク魔法…か…
ジェイド「…Aさん。貴方はこの質問に真実で答えなければなりません。
"貴方は、何のためにそこまで他人に尽くしているのですか"。」
『＿＿独りに、なりたくないから。』
ジェイド「独りに…ですか。」
『ずっと、私の事なんか…誰も見てなくて
友達と話してても、結局私じゃなくてみんなお父さんの話しかしないし
皆、私と一緒に居るのに
別の誰かといるみたいで、ずっと…寂しかった。』
ジェイド「貴方のご家族は、何をしていたんですか。」
『…お父さんは、ずっと…お兄ちゃんの話をしてた。
お父さんの期待に応えようと、どれだけ歌っても、作曲しても、演奏しても
「お兄ちゃんほどじゃない。それくらいでお兄ちゃんに追いつけると思うな」って
いくら頑張ったって、褒めてもらえるのはお兄ちゃんばっかり。
お兄ちゃんは、お父さんの宝物。
私の欲しいものは、全部、全部、お兄ちゃんに奪われた。』
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
