バイパー家の定め ページ28
ジャミル「それだけは絶対にできない。」
ほら、一刀両断だ。
ジャミル先輩曰く、ジャミル先輩の一家は
先祖代々アジーム家に仕えていて
家臣が主人に刃を向けるなんて、言語道断とのこと。
自分だけでなく、バイパー家全体に処分が下る恐れがあるそうだ。
カリム先輩のような人が、そんなことするとも思えないけど
彼ほどの優秀な人がそんな状況下にあるのは
さぞストレスの溜まることなんだろうな。
カリム先輩への絶対的な忠誠心でもない限り…
『……あれ。』
ジャミル「すまないが、バイパー家に生まれた以上
そんなことは絶対にできない。」
『あぁ…はい。さすがにそれは分かってます。』
いやいや、何考えてるんだ僕は。
流石にそれはあり得ないだろう。
だって、そんなことがあったとしたら
カリム先輩は、本当に……
『……ここ最近のストレスで気が滅入ってるだけだ。
やめよ、こんなの。
ところで、カリム先輩はまだ2年生みたいですけど
リドル先輩みたいに、前寮長に決闘で勝ったんですか？』
ジャミル「いや、カリムは前寮長の指名で寮長になったんだ。
…アイツが指名された時は、俺も嬉しかったよ。」
「それも、ジャミル先輩の助力あってのものじゃないですか！
寮生はみんな知ってますよ。」
「なんで前寮長はジャミル先輩を選ばなかったんだ！？」
『黙れ。本人のいないところでしか不満の言えない屑共。』
ジャミル「き、君も大概怖いな…」
グリム「いつものことなんだゾ。」
僕のせいでさらに不和を煽ってしまったのもあるのだろうけど
前寮長に不満を言う者もあらわれた。
それにしても、指名で寮長になるなんてあるんだな。
この自分至上主義の権化みたいな学校で。
ジャミル「そう言うな。
アジーム家の親戚筋の人間が、本家の跡取りを差し置いて俺を選べるわけ…あ。」
「そんな事情があったなんて、知らなかった…
つまりコネじゃないですか！」
「汚ねぇ…汚なすぎるぜアジーム家…！」
さっきまで恩だの尊敬だの言ってたのはどうしたんだこいつら。
それほどに今の状況を打開したいんだろうけど
家と本人は関係ない。
って、エースなら断言してくれたかな。
ジャミル「今のは聞かなかったことに…」
「実力主義のこの学校で、そんなことあっていいわけがない！」
「学園の中では身分なんか関係ない！
バイパーのような思慮深い奴が寮長になるべきだ。」
その一言を皮切りに、ほとんどの生徒が
ジャミル先輩を寮長に据えよと言い始める始末。
最早、僕に止められるものじゃない。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
