不確かな可能性 ページ23
その後、寮に戻った僕たちは
ジャミル先輩や寮生が用意してくれたご飯を食べていた。
行進してお腹が空いていたとはいえ、やっぱりちょっと量が異常だ。
カリム「今日は昨日食えなかったアイスクリームをデザートに用意してあるぞ。」
『カリム先輩はよく食べますね…』
カリム「お前はあんまり食べないんだな〜
でも、デザートは別腹だろ？
今持ってきてやるから待ってろよ。」
ジャミル「カリム、待て。
俺が用意してくるから、お前は座ってろ。」
カリム「いいって、アイスの用意くらい俺だってできる。」
ジャミル「主人に給仕させる従者がどこにいるんだ。
お前の父さんたちに怒られるのは俺なんだぞ。」
カリム「ジャミルは本当に真面目だなぁ。
いいじゃないか。今は同じ学園の学生同士だろ？」
カリム先輩の底抜けの優しさに、ジャミル先輩はもう言い返すのも諦めたようで
カリム先輩にアイスを運ぶのを手伝ってもらうということで
2人で談話室を出ていった。
それを確認したのか、グリムが
何かを懐に忍ばせたのは、それからすぐの事だった。
『グリム、何隠したの。』
グリム「何でも無いんだゾ。
それにしても、俺様いよいよ混乱してきたんだゾ。」
明らかに話を逸らされた、けど今は良いか。
それよりも状況整理だ。
さっき行進中に浮かんだバカげた考えも
根拠がなければ行動は出来ないのだから。
『そもそも、最初から感じてた違和感なんだけど
あのカリム先輩が、冬休みに寮生を家に帰さず
こんなに過酷なことを強いる人には思えなかった。』
グリム「ふな…？それって…」
『カリム先輩じゃない、別の誰かの意思が働いてる…なんて
普通じゃありえないけど、今となったらそうだとしてもおかしくない。
想像の範疇を出ないけど、一応思考の片隅に…』
僕が最後まで言い切る前に
談話室に向かって、勢いよく走ってくる足音が聞こえた。
そして、談話室に入ってきたその足音の主は
カリム「おい、お前たち。」
昨日の夜と同じ目をした、カリム先輩だった。
まただ、あの威圧感。
やめろ、意識するな。考えちゃダメだ。
カリム「いつまで飯を食ってるつもりだ！
王様にでもなったつもりか！！」
「え、え…ッ…」
「何を、急に…」
カリム「今すぐ食器を片付けろ！
すぐに午後の特訓を始める！」
「「は、はい…っ…！」」
あの声を聴くと、やっぱり思い出してしまって
脳が停止してしまう。
早く、早く解決しないといけないのに。
エース…デュース…早く助けて…
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
