終わらない宴 ページ22
カリム「みず…水……水が欲しいのか？」
考えたくもない事態を危惧していると
僕とグリムの顔を覗き込むように
カリム先輩が話しかけてきた。
その声色は、昨日の昼間のように暖かいものに戻っていた。
『か、カリム先輩…』
カリム「水が欲しいなら、俺がよく冷えた美味い水を飲ませてやるよ！
『熱砂の憩い、終わらぬ宴、歌え、踊れ！』
『
詠唱と共に、疲れ果てた寮生や僕たちに
雨のように、突然水が降り注いだ。
体温の上がりすぎた体を冷やすのにちょうどいい。
凄い量の水だ。
カリム先輩って、実はすごい魔法使いなんじゃ…
『これ…もしかして、カリム先輩のユニーク魔法…？』
カリム「あぁ。これは俺のユニーク魔法、『
少しの魔力で、美味しい水をたくさん作りだすことができるんだ。」
凄い魔法だし、とても役に立つ力だとは思うけど
これまでの寮長の使っていたユニーク魔法が個性的過ぎて
少し地味に感じてしまう。
彼の魔法の力が、この程度ならの話だけど。
カリム「水道が普及してない時代なら
すっげー重宝された魔法だと思うんだけどなぁ。
今じゃ、花の水やりくらいにしか役に立たないけど
でも、俺の生み出す魔法は世界一美味い自信があるぜ！」
『まぁ…確かに、飲みやすい水ですね。』
それにしたって、やはり変だ。
そこまで魔力を使わない魔法らしいけど
出発前のカリム先輩の様子からして
他人にそんな魔法を使ってやるなんて考えられない。
情緒不安定、何て言葉で済ませていいものじゃない。
言葉を選ばないなら、サイコパスの域だ。
一体、何がどうなってるんだ。
ジャミル「カリム、15分休憩がもうすぐ終わる。
皆を集合させて寮へ戻ろう。」
カリム「もう？もう少し休んでいってもいいじゃないか。」
ジャミル「あまりのんびりしていると陽が高くなる。
気温が上がるとその分きつくなるぞ。」
カリム「それもそうか。
よーしお前ら、寮へ戻って朝食だ！
帰り道も頑張ろうぜ！」
再び進み始めた列に習って
考えを整理しながら、砂漠の道を歩いて行く。
温和な性格が、成績1つであそこまで豹変するものなのか。
人一倍ストレスを感じやすい人でも、あれはちょっと変だ。
でも、仮に…これがカリム先輩の意思じゃないとしたら…
『…誰かに、脅されてるか…それか、洗脳…とか。』
ジャミル「……」
カリム「どうかしたか？」
『あ、いえ…何でも。』
だとしたら、いったい誰がこんなこと。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
