砂漠の国の夜 ページ15
あれから、カリム先輩とグリムと他愛もない話をして過ごした。
恐怖が完全に消えることなんてなかったけど
それでも、満天の星空と
カリム先輩の手の暖かさを感じていたおかげで
もう、あんな弱音は出てこなかった。
で、もう夕食の時間ということで
地上に戻ってきたわけである。
『カリム先輩、いろいろとありがとうございました。』
グリム「滅茶苦茶楽しかったんだゾ！」
カリム「気にすんなって！お前らが楽しんでくれたなら俺も嬉しいし！」
『…はい、とっても楽しかったです。』
カリム「…やっと笑ったな。A。」
『え…』
顔に手を当ててみると、確かに自分の表情がわかる。
自分でも最近感情が溢れている自覚はある。
けど、そう言われるほど笑っていなかったのだろうか。
一応、笑いかけた覚えはあるのだけど。
カリム「造った笑顔じゃなくて、お前が心から楽しいって思った笑顔だ。
俺達じゃ、エース…？って奴みたいに
お前の心を満たしてやることなんかできないかもしれないけど
楽しいことは楽しい。好きなことは好き。嫌いなものは嫌い。
お前の思ったこと、ちゃんと表現すれば
今よりもっと楽しくて、笑える人生になると思うぞ。」
『好きなものは…好き、か…』
カリム「A、お前は何が好きなんだ？」
『…グリムを抱っこして寝ること、エースのマジックを見ること
デュースと一緒に、分からないところを質問しに行くこと…』
カリム「うんうん、一杯あるんだな！
じゃあそれ全部、そいつらに言ってやろうぜ！」
『…そうですね。ホリデーが明けたら、言ってみます。』
思い浮かべてみたら、この世界に来てから好きなものが幾つもできた。
言い出したらキリがないかもしれないけど
彼らに引かれないくらいには、言ってみてもいいかもしれない。
カリム「そういえば、そろそろ夕餉の時間だな。」
『もうそんな時間ですか…すみません、こんな時間までお邪魔して…』
カリム「何でお前が謝るんだ？
付き合ってもらったのは俺の方だ。
じゃあそろそろ談話室に…」
ジャミル「カリム！やっと戻ってきたな。」
僕とカリム先輩が話し込んでいるところに
慌てた様子で駆け寄ってきたジャミル先輩。
何か緊急事態でもあったのだろうか。
ジャミル「夕食の前に確認しておきたいことがある。来てくれないか。」
カリム「あぁ、わかった。
Aたちは、先に談話室へ行っててくれ。」
『あ、はい…』
カリム先輩と別れ、2人で談話室に向かう。
エースたちに言いたいこと、もう少し考えておこうかな。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
