・ ページ2
家族はみんな無事だった。
練習が休みで家にいた華音も助かった。
私はというと、まだこの状況が受け止めきれず、ご飯も食べる事が出来ないでいた。
出場を予定していた世界ジュニアも当然、欠場。
生きる目標を失ったかのようにぼーっとしていた。
私の頭にはフィギュアスケートをやめなければいけないという考えしかなかった。
それだけが頭を占領していて何も入ってこなかった。
そんなある日、ゆづくんが私のところへ来て言った。
結弦「A。ご飯だけは食べよう…?」
虚ろな目でゆづくんを見つめる私に
結弦「今は、スケートじゃない。自分が生きることが大事。生きてなきゃ何も始まらない。」
そう言って強く私の手を握った。
自分でも気づかないうちに両目から涙がとめどなく流れていた。
ゆづくんが渡してくれたおにぎりは今まで食べた、どの食べ物よりも美味しい気がした。
そして、その日初めて自分のいた場所を離れて周りの人たちに目を向けた。
みんな、自分のことに精一杯なはずなのに、「頑張って」とか「応援してるよ」と暖かい言葉をかけてくれて、胸がいっぱいになって、苦しかった。
「横浜へ行こう」と言われたのはそんなやさきのことだった。
248人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月9日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
ミズイハナコ(プロフ) - ええっ!ありがとうございます(°▽°)めちゃ嬉しい! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 999282a715 (このIDを非表示/違反報告)
翔夏(プロフ) - ミズイハナコさん» いつもコメントありがとうございます!ミズイハナコさんの作品もまた読ませてもらいます!笑 (2019年11月17日 21時) (レス) id: 5c3465a8f7 (このIDを非表示/違反報告)
ミズイハナコ(プロフ) - 更新待ってましたよ!主人公ちゃんの明るいところが可愛くて大好きです! (2019年11月16日 23時) (レス) id: 999282a715 (このIDを非表示/違反報告)
翔夏(プロフ) - ミズイハナコさん» よくぞお気づきで笑ありがとうございます!笑 (2019年9月15日 9時) (レス) id: 5c3465a8f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔夏 | 作成日時:2019年7月30日 23時