泡沫 ページ42
ほとんど真っ暗な練習室が並ぶ廊下。
奥の方に目を向けるとひとつだけ明かりがポツンとついていて、消し忘れかなと思い、その練習室に近づく。
防音の練習室から音は聞こえてこなくて、少し戸惑いながらもドアを開けると、
韓国ではあまり聞かないテンポや音の楽曲がちょうど聞こえてきた。
夢中になっていて私がドアを開けたのが聞こえなかったのか、そのままピアノを弾いて、パソコンで編集をしている華奢な背中が見えて
いつもなら素通りするはずなのに、特徴的な、独特な曲の雰囲気がなぜか気になってつい中に入ってしまった。
中に足を踏み入れた瞬間、背後でドアがガチャンと閉まり、その音に私がびっくりしてしまって肩が縮こまっていると
やっと華奢な背中の少年が振り返った。
A「あっ…こんばんは…。すいません。勝手に入っちゃって…。」
そう声を掛けると、こちらを無表情で見つめ気まずそうに会釈した。
感情が無いような目でこちらを見て、少しも心の内が見えなくて。
何とも気まずい空間にどうしようかと頭を捻りながら、また少年の顔を見つめると、見たことがある顔なことに気づく。
A「…あれ、アサヒさんですか?」
そう言うと向こうも少しこちらを見つめてハッとした様子で少し驚いてこくんと頷く彼。
A「…今の曲アサヒさんが作ったんですか?」
無表情の彼に恐る恐る質問すると、少し顔が柔らかくなってまた、彼が頷く。
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カシューナッツ(プロフ) - はりやっこさん» ありがとうございます!ジュンギュとの純愛系を書きたかったのに意外と重ためになってしまいました笑 これからも更新頑張ります! (2023年2月2日 23時) (レス) id: 52bb3a2b13 (このIDを非表示/違反報告)
はりやっこ(プロフ) - ずっとジュンギュのお話を読みたかったので凄く嬉しいです!読むたびに、ドキドキしっぱなしです〜!続きも楽しみにしてます(o^^o) (2023年1月31日 22時) (レス) @page48 id: 53d6058391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシューナッツ | 作成日時:2022年10月29日 18時