義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

猫耳と尻尾が生えたら… ページ48

義勇「やはり本物はいいな。

　 いつも撫でようとすると逃げられてしまう…。

　 俺は動物に好かれていないのだろうか。」

心なしか少しシュンとしている義勇さんはまるで犬みたいだ。

そんな義勇さんの姿も愛おしく思えてしまう自分は、

そうとう彼に溺れているようだ

義勇さんが喜んでくれるなら、と

鬼にほんの少しだけ感謝してしまった自分はきっと可笑しい。

(名前)「今日は好きなだけ撫でていいですよ。

　 明日にはなくなっちゃうかもしれないんですし。」

コクコクと頷いてから、またふわふわの耳を撫でた。

そうしている間も色々な話をした。

お互いに忙しい毎日だから、

こうしてゆっくり話す時間があるのはとても嬉しいし、好きだ。

義勇さんも同じこと、思っててくれたらいいな。

そんな呑気なことを考えているのも束の間―――――。

(名前)「ひゃっ！」

腰のほうにある それ が、大きく飛び上がる。

義勇「す、すまない。

　 気になったので触ったが嫌だったか…？」

私の反応を見て、咄嗟に手を離した義勇さん。

(名前)「あ、えっと…嫌ではないです。

　 でも、そのちょっと、尻尾は…

　 ひゃっ！あのえっと…義勇さん!?」

私の声などまるで届いていないかのような義勇さん。

尻尾を触る手は止まらず、だんだんと力がぬけていく。

自然と重なった唇はすぐに深くなり、

歯をなぞる生温かい舌の気持ちよさに私は敵わない。

しどけない着物は直さず、肌が露出されていく。

パタパタと揺れる尻尾は私の体よりも正直だ。

義勇「いつもは(名前)に負担をかけないように優しくしている。

　 でも今日は優しくしてやれないかもしれない。

　 だから…もし嫌だったら、俺を拒んでくれ。」

私の心は一つに決まっていた。

義勇さんのことが大好きだから…。

(名前)「私は義勇さんが大好きです。

　 だから、どんな貴方でも受け入れられます。

　 それに少し乱暴なのも…嫌、じゃないです…。」

義勇さんからそっぽを向いて告げた自分の気持ちは、

最後にいくにつれて小さくなっていく。

(名前)「んっ。」

ぐっと私の顔を自分の方に向けて口づけをした時の

手の力は、少し強かった。

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