義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

「月が綺麗ですね。」と言われたら… ページ45

義勇「すまない、やはり俺も寒い。

　 半分貸してくれないか。」

私にぐっと近づき、羽織の半分を自分のものにする冨岡さん。

(名前)「あったかい…ですね。」

沈黙が続いた中で私がこぼした言葉。

義勇「あぁ。でもこうすれば、もっと暖かいぞ。」

少し狭い羽織の中で、私の肩を

ギュっと自分の方に抱き寄せてみせる。

た、確かに暖かいけど…

私ちょっと耐えられないかもしれない。

顔を真っ赤に染めながら冨岡さんの方を見ると、

私よりも余裕のある大人な冨岡さんはクスリと微笑んでいた。



月が輝く寒空の下、無意識に重なった冷たい手は

同じ温度になるまで繋ごう。


『月が綺麗ですね。』そんな良い言葉じゃないけど、

私は私なりの言葉で気持ちを伝えよう。


(名前)「好きです、義勇さん。ずっと、ずっと前から…。」

義勇「俺もだ。(名前)よりずっと前から、好きだ。」

静寂の夜に重なる唇。

初めての感覚に私も義勇さんも戸惑いを隠せなくて、

2人ともそっぽを向いた。

顔を合わせれば恥ずかしくて、でも嬉しくて

2人とも笑顔を見せた。

ずっとこの関係が続くといいな。

夜を照らす星々に、輝く月に、強くそう願った。

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