義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

「月が綺麗ですね。」と言われたら… ページ41

● ★ ※付き合う前

甘露寺「ねぇねぇ(名前)ちゃん、知ってる？」

(名前)「ん？何を？」

昼下がり、甘露寺ちゃんの屋敷に遊びに来ていた

私は、ふとそんなことを言われる。

甘露寺「月が綺麗っていう告白よ！」

月が綺麗…？告白…？

何かと話が合う甘露寺ちゃんだけど、

この話はよく分からないな。

空を見上げても、月は見えないし…。

(名前)「知らないな、でも教えて！」

私は隣に座っている甘露寺ちゃんの方を向いて、

話を聞く姿勢をとってみせた。

すると甘露寺ちゃんの頬は、みるみるうちに桜色に染まった。

甘露寺「知らなくても興味をしめしてくれるなんて

　 (名前)ちゃん優しいのね！そういうところ…好きだわ。」

始めは元気な声色だったのに照れているのか、

こちらから目を背けてしまった甘露寺ちゃんが可愛くて、

ふっと口元を緩め、『ありがとう！』と言った。

甘露寺「あ、そうそう月が綺麗の話だったわね！

　 月が綺麗っていうのはね、

　 貴方を愛していますって意味があるの！

　 素敵だわ、私にもそう言える人がいるといいのに…。」

そう言って、しょぼんとした表情を見せる。

どうやら甘露寺ちゃんには、まだ思いを寄せる人がいないみたい。

私は一瞬どうしたらいいか戸惑ったが、

甘露寺ちゃんの両手をギュっと握り、

『いつかできるよ！だって甘露寺ちゃんは可愛いから！』

と笑って言ってみせた。

甘露寺「ありがとう。でも(名前)ちゃんはいいわよね！

　 そう言える人がいて！」

(名前)「う、うん…。」

少し恥ずかしくて、顔が俯きがちになる。

そう、私には心から思いを寄せている人がいる。

甘露寺「冨岡さん、今日は任務から帰ってくるそうよ！

　 さっきしのぶちゃんが言ってたの！」

ドキっと心臓のある辺りが大きく脈打ち、

顔に熱があつまっていく気がした。

私は、同じ柱である義勇さんのことが好きだ。

ちなみに気持ちを伝えられたことはまだない。

確信をもったのは、ほんの数ヶ月前のこと。

顔を合わせるだけで熱が出たみたいに顔が熱くなる、

近くにいると緊張して息が苦しくなる、

他の誰かといると針で刺されているみたいに胸がチクチクと痛む、

義勇さんが嬉しそうだと花が咲いたみたいに私も嬉しくなって笑顔になる。

そんな恋を患ったら当たり前に抱く感情に、

日々振り回されて悩まされ、

彼と会える毎日を楽しく思っている。

私も単純なものだな…。

「月が綺麗ですね。」と言われたら…→←作者からですm(_　_)m

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