義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

看病してみたら… ページ36

それは義勇さんが任務に行って、二日ほどたった日のこと。

宇髄「よう、如月。知ってるか。」

次の任務まで時間が空いたので、

義勇さんの屋敷の縁側でひなたぼっこをしていた。

そんな私の前に突然現れたのは、

最近任務で忙しかったはずの宇髄さん。

(名前)「宇髄さん、不法侵入ですよ。

　 というか帰ってきてたんですね、お疲れ様です。」

『冨岡と違って俺には雪みてぇに冷たいのな。』なんて

言うけど、私は特に何も返さなかった。

(名前)「不死川さんや悲鳴嶼さんは？」

私の質問に対して、『そういやまだ帰ってきてねぇな。』

と本当に何も知らなさそうに答える宇髄さん。

(名前)「そういえば知ってるかって何の話ですか？」

宇髄さんが不法侵入したことや、

不死川さんや悲鳴嶼さんのことで

すっかり宇髄さんの話を忘れてしまっていた。

宇髄「あぁ、それな。

　 冨岡が任務から帰ったらしいんだが…。」

「帰った」その言葉を聞いて、私は立ち上がる。

(名前)「ほ、本当ですか!?今どこに居るんですか！」

私が質問をなげかけると、宇髄さんは柄にもなく

私から目を逸らし歯切れが悪そうにしていた。

宇髄「それが…だな。なんか任務の疲れで倒れたらしいんだ。

　 今蝶屋敷に居て、見舞いに行ったら胡蝶から知らせてほしい

　 って言われて、だから俺はここに来たんだ。」

倒れた？義勇さんが？

私は走り出した。

「待て。」そう言った宇随さんの声など、

あの時の私の耳には届いていなかった。

―in蝶屋敷―

「コンコン」「ガラガラガラ」

走ってきた私は蝶屋敷について、荒かった呼吸を整える。

胡蝶「あ、(名前)さん。

　 冨岡さんなら今は寝てますよ。

　 起きたら屋敷に帰らせても大丈夫なので、

　 手をかしてあげてください。

　 私は薬の調合があるので失礼します。」

そう言って、しのぶちゃんは部屋を後にした。

少し歩くと、私の視線を釘付けにした。

(名前)「義勇さん…！」

少し汚れた隊服や半々柄の羽織、

傷だらけの体…大変だったんだな。

私は近くにあった椅子に腰かけて、

義勇さんが目を覚ますのを待った。


義勇「ん…。」

(名前)「義勇さん!?」

薄く目を開けた義勇さんを見た私は、

座っていた椅子から立ち上がった。

「(名前)」私の名前を呼んで、

手を伸ばすから私はその手を強く握り返して

いつの間にか塩辛い水が頬を伝っていた。

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