義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

嫉妬されてみたら… ページ29

(名前)「ふっ、んぅ…！義勇さ…！」

交わされた口づけは、

いつもより強引で食べられているみたいだ。

自分勝手で制限のないキスに私は苦しさを覚えた。

義勇「反省だ、んっ。たっぷりと味わえ…。」

いつもは私の頬を、髪を、優しく撫でる手が

今日は太ももを触っている。

恥ずかしくて、苦しくて、少し怖くて、

でも…義勇さんがいつもより愛おしくて

私を触る義勇さんの手を気持ちいいと感じてしまう自分がいる。

こんなの…、知らないっ……！

(名前)「義勇さ…！嫌です！こんな義勇さん、嫌です…！」

零れた本音、でも…言いたいことが全部言えてない。

私が拒むと、義勇さんは我を取り戻したかのように

ハっとして私に触れていた手がピタリと止まる。

義勇「…すまない。もう、忘れてくれ。」

違う、そうじゃないのに…。

知りたいのに、聞きたいのに、義勇さんの本音が。

私はいつの間にか頬をつたっていた もの を

義勇さんに見られたくなくて、

顔を腕で覆いながら言葉をこぼした。

(名前)「違うんです…！嫌だけど、嫌じゃないんです！

　 嫌なのは義勇さんの気持ちが分からないままなのと、

　 今の状況も悪くないんじゃないかって思ってる

　 私自身なんです！

　 でも…義勇さんも教えてくれなきゃ分かんないですよ！」

放っている言葉はぐちゃぐちゃで、

自分でも何が言いたいのか分からない。

義勇さんは目元にかかっている前髪を

かきあげて、私の上から退いた。


義勇「宇髄や不死川、胡蝶に嫉妬していた。

　 俺といる時よりも楽しんじゃないかって、

　 もしかしたら俺よりもいいんじゃないかって。

　 そう思って…俺らしくもないが、イラついていた。

　 お前は悪くないのに…すまない。」

いや、悪いのは私だ。

最近、義勇さんといる時間をあまりつくれなかった。

宇髄さんや不死川さんと任務に行ってからの

ご飯が美味しくて、楽しくて。

しのぶちゃんと話をしたり、甘味を食べに行くのが好きで。

(名前)「私が悪かったです、ほったらかしにしましたから…。

　 でも安心していいですよ。

　 私が一緒にいて楽しいと思うのも、いいと思うのも、

　 好きなのも…義勇さんだけ、ですから。ね？」

子供をあやすかのように、ちょっぴり乱れた髪を撫でて言った。

やっぱり、私にはこの人しかいないな…。

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