義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

嫉妬されてみたら… ページ28

(名前)「ただいま帰りましたー。」

恐る恐る私は中に入る。

義勇「……遅かったな。」

私の声を聞いて、義勇さんが出迎えてくれた。

うん、やっぱりなんだか怒ってるよね。

隊服から普通の着物に着替えて、

再び義勇さんのもとへ行く。

今日の任務のことを話そうかと思ったからだ。

義勇「今日の潜入調査、何か分かったことはあったか。」

先に義勇さんが話を進めてくれた。

(名前)「はい、えっと…。」

なんだか気まずい空気とはいえ、任務のことは普通に話す。

でも私にとってはそれが逆に不安となっていた。

モヤモヤと心に靄がかかるような気持ちを、

水で流すように消してしまいたくなった私は

義勇さんに直接聞いてみることにした。

(名前)「あの、義勇さん。

　 最近なんだか機嫌悪いですよね。

　 私何かしてしまいましたか？

　 よかったら教えていただけると助かるのですか…。」

『機嫌が悪い』その言葉に反応して、

私に鋭い視線を浴びせる義勇さん。

うぅ…怖い、私なにしたのよ〜。

義勇「………身に覚えがないのか。」

考えるも、ないものはないのだから正直にコクリと頷いた。

すると義勇さんは溜息をついた後に、

首をフルフルと横に振っていた。

こんな義勇さんは初めて見た、

私は目を丸くしてその行動に見入っていた。

(名前)「あの…。」

義勇「いや、いい。……気にするな。」

何も覚えていない自分をひどく憎む。

任務に行く前よりも更に深い沈黙を切り裂きたくて、

私は あれ を義勇さんに見せた。

(名前)「あの、見てください！

　 これ、宇随さんにもらったんです！

　 普段はこういうの着ないけど、

　 私でも着こなせるくらい可愛いんですよ！」

今日の潜入調査で使ったあの青いドレスを見せると、

義勇さんはハっとしたように目を見開いた。

そして―――――――――。

「ドサっ！」

――――義勇さんに押し倒された。

いつもの優しさがなく、背中に痛みを感じる。

義勇「おい、いい加減にしろ。

　 気にしなくていい、そう言ったが訂正する。

　 お前には少し反省が必要だ。

　 自分がした行動をよく振り返ってみろ。」

義勇さんの瞳には怒りがやどっている。

(名前)「振り返りますから！一旦落ち着きましょう!?」

義勇さんから離れようと胸板を押すも、びくともしない。

そんな中、義勇さんも男性なんだなと

他人事のように考える自分を嘲笑った。

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