義勇さん好き集まれ！義勇さん短編集〜 第１弾

押し倒してみたら… ページ24

―義勇side―

宇髄と不死川に誘われて、飲みに行った(名前)。

俺は(名前)と2人で行きたかったから、

今日は断ったが大丈夫だろうか。

(名前)が酒を飲んでいる姿を見たことがない。

もし弱かったら…、帰れなくなってはいないだろうか。

一度心配になってしまうと、落ち着かなかった。

そんな俺のもとに、黒が空からおりてきた。

「カァァァー！宇髄天元より冨岡義勇へ伝言！」

空からおりてきた黒の正体は宇髄の鎹鴉だった。

鎹鴉の足につけられた宇随からの伝言を見た。

義勇「――――――――っ!!」

俺は、手元にあった日輪刀を強く握りしめて急いだ。

『冨岡

　(名前)が大変だ、いますぐ来てくれ。

　場所は×××の△△だ。 宇髄 」

(名前)がいるであろう飲み屋についた。

鬼がでたのか？

普通の鬼隊員ならまだしも柱である(名前)や

宇髄、不死川がいるんだぞ。

鬼の確率はないと考え、頭から捨てた。

じゃあ…いや、もう思いつかない。

答えを確かめるように、俺は目の前の襖を開けた。

不死川「き、如月！お、落ち着けェ…!!」

(名前)「しなずがわさぁん、まぁたきずがふえてるじゃないれすかぁ…！

　 まれちなのはわかりますけど…やっぱだめれす！」

宇髄「………。」

その光景はまさに前代未聞といったところだった。

女の(名前)には力で負けるはずはないのに、

動揺のせいか押し倒された不死川のひどく焦った表情。

いつもは何かと愉快な話をしてくれる宇髄の、

不死川と(名前)を見るなんとも言えない表情と固く閉じた口。

昼間はなんともなかったのに

今は零れたお冷でしっとりと濡れ、

乱れた着物で不死川を押し倒し、

顔を真っ赤に染める呂律のまわっていない(名前)。

俺もその場で固まった、目の前の宇随のように。

どうやら今切るべき相手は鬼ではなく

酒と、(名前)を見て顔を赤く染める不死川かもしれない。

宇髄「…あ、あぁ冨岡。
　
　 えっと…わりぃ(名前)飲ませすぎちまった。

　 不死川がそろそろ限界だから、もち帰ってくれねぇか。

　 ちなみに言わせてもらうが俺はとっくの前から限界だ。」

やれやれと言いたげな宇髄は、(名前)の荷物をまとめて俺に渡した。

不死川に迫っていた(名前)は、

いつの間にか不死川の上でそのまま眠っていた。

義勇「すまなかった。」

宇随は「あぁ」と一言。

不死川はその場から動くこともなく、コクコクと頷いていた。

眠る(名前)は背にのせ、手には(名前)の荷物を持った。

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