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土下座覚悟で臨んだ見合い当日。
天は俺の味方をしてくれた。
まさかの“円満破談”。
相手も俺同様
端から断るつもりでこの縁談を受けていて
お陰で、罪悪感に苛まれる事もなく
ミッションを終える事が出来た。
出発まであと２週間。
俺は、意識的にAとの連絡を控えていた。
―準備、進んでるの？
そのメールにわざと時間を開けて返信する。
―私の荷物、取りに行った方がいい？
そのメールに
―俺が届けに行くよ
と返信し
わざわざ平日の昼間にAのマンションへ出向き
管理人に荷物を預けた。
長くも、短くも感じたこの１ヵ月。
“女の為”なんて言いながら
本当は、全て己の為だったんじゃないかと
閑散とした自室を眺めながら苦笑いをした。
出国当日。
「直人っ！！」
柄にもなく大声を張り上げながら
人の波を縫って
俺の元に駆け寄って来たA。
―最後に食事をしよう―
そう提案したのは、Aだった。
空港内にあるカウンター席だけの寿司屋。
「餞別よ！」
そう言いながら
美味しそうに寿司を頬張るAが
「美味しかったね！直人！」
満面の笑みで
悪戯に俺を覗き込むAが
「直人…私ね。話しておきたい事があるの」
気まずそうに
それでも幸せそうに瞳を伏せたAが
「なになに？恋人でも出来た？」
「………うん」
―――愛おしかった。
「そんなのとっくに気付いてるわ！」
「で…ですよね？」
「てかこのタイミングで言う？」
「だっ、だって…」
「ははっ！じょーだん！
良かったな、拾ってくれる奴がいて！」
「直人…私…」
「A」
懐かしい香りを感じていた。
「幸せにして貰えよ？」
頷きもせず
されるがまま俺に抱き寄せられたAの腕が
俺の背中に廻る事はなかった。
「そこは頷いとけ」
でも、それでも心は満たされていた。
その腕が
一度のみならず、三度も筋肉を収縮させ
その度に
葛藤しているAの心が
痛い程伝わって来たから。
きっと俺と同じだ。
俺が未練を残さない様に。
俺が仕事に集中出来る様に。
「A、ホントお前って
「…今頃気づいたの？」
腕の中でクスクス笑ったA。
「ほんといい女」
「ふふっ、直人もいい男よ？」
その日は快晴だった。
「…泣けねーじゃん」
俺も、
お前も、な。
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
