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「適当に断ればよかったのに」


帰り路。
眉間に皺を寄せた剛典は
しつこいくらい文句を言い続けている。


「大丈夫よあのくらい」
「完璧A狙いじゃん」
「狙われてるうちが華よ?」
「あのなぁ…」


赤信号で停まる度、般若の様な顔で睨まれた。


「いいかA、絶対に俺から離れるなよ?
 トイレもだぞ?」

「…トイレは無理でしょ」





今回の取引。

成功すれば結構な利益になると解っていた。

だからこそ、私が同行していいものか
美鈴さんの判断が必要だった。


私を信じてくれて送り出してくれた美鈴さんの為にも、もちろん、剛典の為にも


足を引っ張りたくない。



同席する事が吉と出るか凶と出るか

私には解らないけれど




“吉”である事を祈っていた。






社に戻り、すぐに美鈴さんに報告をした。

「大丈夫。Aの元凶はお酒だから
 それだけクリアできれば余裕よ」

そこが一番不安なんですとも言えず、時を待った。





「A、準備できた?」
「うん。それじゃあ美鈴さん、行ってきます」
「頑張って」




剛典と二人
趣がある門構えのその暖簾をくぐった。




戦闘開始。




いざ、出陣。









「いやー、楽しかったよ。いいチームだ。
 また同席させてくれよ?」

「こちらこそありがとうございました。
 是非よろしくお願いいたします」



黒塗りの車に深々と頭を下げ松崎常務を見送った。



「ふぅ…」

「おいッ、大丈夫?」


すっかり気が抜けてしまい
よろけた私は剛典に支えられた。


「…剛典に、惚れたかも」

「はぁっ?!」




ビールで乾杯した後、

運ばれた来た“ウーロンハイ”は“ウーロン茶”だった。

一口飲んで剛典を見たら、少しだけ口角を上げた。



お手洗いに立った時

剛典はわざわざ常務の隣に移動し、私を追う隙を無くしてくれた。



すれ違った中居さんに

“お連れ様からの申し付けです”と

ウーロンハイのからくりを教えてもらった。



個室に戻った時

松崎常務はやたら上機嫌で

剛典と肩を組み、大口を開けて笑っていた。



本来なら次の店に行く所

いい感じに出来上がった松崎常務自ら離脱。

私達はお役御免となった。





きっと、剛典の作戦勝ち。



「剛典、飲み直そっか?」
「えー、接待、まだ続くの?」
「…どう言う意味よ」
「…介抱しなきゃないじゃん、俺」



軽口を叩きながらも近くの店を探す剛典。



「今日は私が奢ってあげる!」

「もっと怖いわ」


.

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設定タグ:三代目 , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます^^ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか?私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´;ω;`) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです^^ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω・*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月18日 10時

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