18 ページ18
.
ｺﾝｺﾝｺﾝ、とノックを三回してしばらく待つと、中から返事が返ってきた
『失礼しま……大丈夫？二人とも』
扉を開いてワゴンと共に入室すると、この国のツートップが書類に埋もれ半屍と化していた
「A……ﾊｯ、この甘い匂いは！？」
と思いきやグルッペンが甘い紅茶と菓子類の匂いで即座に蘇生して此方にやってくる
チョロすぎる気もするが気にしてはダメだろう
「どしたんやA、何かあったん？」
ワゴンから紅茶と菓子類をセッティングしていると大きく伸びをしていたトントンも一息入れに来たようだ
『今日は何をすればいいか聞かされてなかったからな。紅茶と菓子類は此処に来るついでをオスマンに頼まれたんだ』
三つあるカップに紅茶を注ぎ席に着くと、グルッペンは既に菓子に手を伸ばしていた
「あー、そーいえば言ってへんかったなぁ…Aはまだ部隊が決まってないから色々とやって貰いたいんやけど……せやな、今日は武器決めてみたらええんやない？」
トントンは紅茶を嗜みつつ今日の行動を伝えてくれた
かと思えばグルッペンに菓子を食べ過ぎない様に注意しているが、勿論グルッペンはそんなこと露知らずで黙々と菓子を食べている
『ふむ、今日は訓練棟で武器探しだね……明日からは何かある？』
そう質問すればトントンは静かに考え込んでしまった
「んー…明日からは各部隊の見学兼見習いで部隊を回って貰う感じかなぁ、気が向いた所からでエェけど戦闘部隊は後に回さなぺ神がキレるで」
ぺ神を探してから訓練棟に行く。と伝えれば 忘れとった…ちょっと待っとって…と言われ、暫くしてインカムが渡された
カラフルなボタンが着いており、何人かに限定して音声を繋ぐこともできるらしい
ベースカラーは白だから汚れが目立ってしまいそうだ
「一々探しとったら面倒やからな、コレ使えばエェよ」
礼を言ってからインカムを付けると、サイズはぴったりだ
「暇になったら遊びに来てくれていいんだゾ！」
そこで間髪入れずに口を挟んだグルッペンに対してトントンがいい笑顔を浮かべている
勿論グルッペンは気付いていない
「総統サマは遊ばんと終わってない書類やってもらえませんかねぇ…」
グルッペンが何か言っていたが、トントンの粛清が始まる前にそっと部屋を後にすることした
扉を閉めた後に聞こえた断末魔にそっと十字を切ってワタシは訓練棟へ足を進めた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サキア(プロフ) - じゅーちょーさん» 了解しました、承諾します。等の意味で使ってます (2018年6月4日 0時) (
レス) id: 4b79983a16 (このIDを非表示/違反報告)
じゅーちょー - すみません。41の「Si」ってどういう意味なんですか？ (2018年6月3日 22時) (レス) id: 684c66f772 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c9dc1e2182/
作成日時：2017年9月17日 2時
