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「……なんで、何でその名前知ってんねん」
やはりそうか、と思いつつもワタシは言葉を続けた
『ワタシの中には恐らく、全素体のデータがあります。オールウェンの名字を持つ者だけ、他より多くのデータがあるので不思議だったんですよ。他の家系は良くあって2つなのに、そのデータだけ5人分あるんですから』
ご両親と、それから2つずつ離れた兄弟が居ますよね。と確認すれば
顔は見えずともゾムさんが驚愕しているのが見てとれる。きっと強化兵のデータなど早々に処分されるとでも思っていたのだろう
『帝国の軍の中にも、強化兵や合成獣をモノとして扱えない人が少しばかり居るんです。その人たちがワタシにデータを全て入れたのでしょう…あの国のせいで犠牲になった者を、忘れないために』
「…………Aは、自分のこと全部忘れてるんよな？なのにソレ覚えてて…辛くないん？」
ゾムさんの遠慮がちな質問に、少し笑みが浮かんでしまう
帝国とワタシが関係のないことを、ゾムさんは心の底でよく理解しているんだと思う
そうでなければここまで困惑し、ワタシを気遣ったりなんてしないはずだ
『ワタシ自身の記憶が少しでもあれば、辛かったでしょう。ですが、幸か不幸か…ワタシには水槽の中の記憶しか無いので、辛くはないですよ』
水槽で目が覚めた直後に告げられた製造物という事実は、ワタシにとってかなりどうでもいいことだった
思い出せない事を悔やむ気も、帝国に対する恨みも、何一つワタシは持ち合わせていないのだ
「……そっか、急に来てヘンな事ばっか言ってスマンな」
『いいえ、気にしないで下さい』
決まり悪そうなゾムさんに足元に刺さっていたナイフを返せば、ありがとう と言われ彼の手にナイフは戻った
「……せや。A、俺の事は呼び捨てでエェよ。堅苦しいの嫌いなんや」
『分かりま……んんっ、分かった。努力するよゾム』
敬語を使いそうになって少し止めて言い直せば、ゾムはンフフと不思議な笑い声を残してダクトから何処かへ消えてしまった
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「……A、おもろいヤツやな」
＿＿＿
ゾムさんは強化兵です。
だって強いですもん(語彙力の無さ)
ステータスとしては隠密行動特化です。体力とかは持ち前のポテンシャルが高いだけです
しかし強化兵の副作用として、血を流しすぎると発狂()します
止められるのは今のところ我々+Aのみ
……って感じにしたいなぁ(遠い目
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サキア(プロフ) - じゅーちょーさん» 了解しました、承諾します。等の意味で使ってます (2018年6月4日 0時) (
レス) id: 4b79983a16 (このIDを非表示/違反報告)
じゅーちょー - すみません。41の「Si」ってどういう意味なんですか？ (2018年6月3日 22時) (レス) id: 684c66f772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c9dc1e2182/
作成日時：2017年9月17日 2時
