Third！元暗殺者はボーダーに

６６時間 あの日の記憶 ページ12

突然会場に現れた修に、忍田さんが『三雲くん！』と言って立ち上がる

忍田「どうしてここに？！怪我は大丈夫なのか？！」

修「大丈夫です」

林藤「んなわけないだろ」

根付さんを押し退けて会見台に立つと、修は言った

修「三雲修です。今の話に出てきた、先月学校でトリガーを使った訓練生は僕です。質問があれば僕が直接答えます」

『本人…！？』『じゃあこの子が元凶の…』と再びざわめき始めたマスコミに忍田さんが反論する

忍田「憶測で隊員を罪に問うのはやめて頂こう。彼は現在正隊員。問題の隊務規定違反については、１ヶ月以上前に裁定が下されている！」

根付「そう、その通り。寄って集って子供を責めるのは…」

「当人が話すと言っているんだ！」
『Ｅ組の皆！話聞かせて！』

「其奴に喋らせろ！」
『今どんな気分ですか？！』

A「…っ！」

駄目だ…今は忘れろ…！
このマスコミは違うかもしれないやろ…！

遊真「…？」ｼﾞｰｯ

ウチがそう考えている内に、修への質問が始まった

「…君が先月学校で、訓練生でありながらトリガーを使ったのは規則違反だという話がある。それは知っていたかな？」

修「はい」

「君のその行動によって訓練生のトリガーの情報が漏れた疑いがあるんだが、それについてはどう思うかな？」

修「今にして思えば…その可能性はあると思います」

根付「…！」

唐沢「(相変わらず馬鹿正直だな…)」

修の正直な言葉にマスコミ達は怒りの声を上げる

「事の重大さを分かっていないのか？！３２人が犠牲になったんだぞ？！」

「『今にして思えば』！？そんな言い訳が通用するか！」

修「言い訳する気はありません」

しかし…そんな怒りの声を修は冷静に否定した
そして続ける

修「情報が漏れると知っていたとしても、やっぱりトリガーを使ったと思います。それくらい切迫した状況でした」

「その所為で、その先に更に犠牲者が出るとしてもかね？！」

修「はい。将来的に被害が広がる可能性があったとしても、それが目の前の人間を見捨てていい理由にはならないと思います」

「言ってることは立派だけど、問題なのは貴方が訓練生だったってことでしょ？貴方が始めから正隊員だったら、学校のお友達も守れてトリガーの情報も漏れなかった。ヒーローになりたいなら、順序を守ってまず正隊員になるべきだったんじゃないの？」

…は？本当になに言っとるんや？
いきなりゲートが開いて襲ってきたのに、正隊員になる時間なんてあったと思うんか！？

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