チカヅキタイ【dtnb】

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開始10分くらいかな。



俺は入って1番奥の右端に座っていて



全体を見回しているからか



向かい側の左端にいる涼太の異変に何となく気がついていた。




「ちょっと…待ってくれるかな」



そう言うと見たことないくらい大きく深呼吸。



他のメンバーは「国王が緊張してる〜」だとか
「素晴らしいものが見れるぞ！」とか茶化していたけ
ど、明らかに今日の涼太はおかしい。


あいつはあまり弱いところを人に見せたりしないから、絶対最後までやりきろうとしてるよな…。


でもな、俺こういう企画苦手なのよ。

緊張しちゃって上手く言えないし、涼太みたいにかっこいい言葉が見つかんない。



宮「よし、大丈夫です」



ほら、またそうやって。



「ずっと…前から…」



「気になってしょうがなくて…」









これさ、今のあなたの気持ちだよね？笑






宮「痛くて…」





ラ「もしかして…」



佐「心臓がー？」




バカだなあ…もうそのまま口に出ちゃってんじゃん




ちょっと待って、



多分あの顔はもうやば…



「し、し、…」


「知ってたよ！！！」







…やべえ、


大きな声を出し過ぎた。


何事かとメンバーもスタッフの人も俺をまっすぐな目で見つめてくる。








涼太は…りょ…



あ、目が合った。




よし、こうなっちゃあしょうがない。



合図をして彼が行ったのを確認すると




「ずっと…前から…好きだったことくらい」





「分かっていたけど」





「伝えらなかったんだ…」




とにかく頭に浮かぶ言葉を並べながら、涼太が戻ってくるのを待つことにした。

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