だから恋は難しい (🧡)

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「ほああ」


私はというと
康二くんの事実と思っていた事のすべてに驚くあまり、変な気の抜けた声が出てしまった。


「どういう声？？」


「びっくりした声です

隠さなきゃいけないのに、私なんかに本名も教えてくれたし、結果的にちゃんと会って本当のこと教えてくれて。」


「なんかって、言いなや。

俺はAちゃんやから言いたくなったし、知って欲しかった。
まあ、俺がちゃんと、最初から言ったらよかったんやけど。」

「…もしそれでも俺のこと嫌やなくて、仲良くしてくれるなら、またこうして会える？」


「それはもちろん！」


そう食い気味に言うと
康二くんはくしゃっと笑顔になった。

すごくその言葉も表情も嬉しくて。


「私はまだSnowManの康二くんを知らないから、それを知るのも楽しみです。」


そう言うと

「カッコ良すぎて引くで〜？
俺もAちゃんに見られてると思って頑張るわ！」

と照れ笑いした。


「そうだ、ほら、見てください」

「？なに？」

昼間に撮ったアイドル向井康二くんとのツーショットを見せる。

「すごいんですよこれ、結構並んで、私が並んだ後も後ろにどんどん並んじゃって」

「並ばなくても撮れるやん！」


そう言うと、康二くんは体を近づけて
康二くんのスマホで私とツーショットを撮る。


「ていうか、なんでそれ並んで撮ってんねん！！笑」


笑う康二くんだけど

私はもう体が近づいて、ドキドキもバレちゃうんじゃないかっていう気持ちでいっぱいいっぱい。

晴れて、康二くんの事を知れたけど

明確に、康二くんがアイドルというのを知って
限りなくお付き合いできる可能性が低い事も知って、後から絶望するのだった。



本当はまた会ってくれというのも建前で、
康二くんの素性を知った私なんかとはもう会わないかもしれない。


「まー？パネルの方が盛れてるかも知らんけど？素の俺もええやんな、ほら見て見て」

なんて、さっきの写真をスマホで見せようとしてくれる、ニコニコする康二くんに、

好きな気持ちが溢れちゃって、


「好き…」



と呟くように言ってしまった。


「…へ？！」

漫画のように康二くんが驚いた声を出すから

「康二くんの写真！好きだなあって！！」

そう言えば、康二くんも焦って

「そ、そやねん！俺いまカメラめちゃ勉強してて、そうそう、あー、びっくりしたわもう！」


康二くんの顔は真っ赤になってたし、
驚いた顔もしてたし、
すごくすごく、もっともっと好きと言いたくなってしまったけど。

私は怖くて、そんな事を口にするのはもうやめようと思った。





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