Maybe.Ⅲ (ページ8)

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「あと、輸血出さないとな。その前に採血か。誰か、カルテ借りれる？」

「はい」

　ケンティーが深澤先生のところへカルテを持って行く。

「ありがとう。とりあえず、輸血するためにクロスの採血と貧血の値を見たいから生化の採血出すね。この人って入院してから、何か検査した？」

「レントゲン以外は何も……」

　しょっぴーが口籠もりながら答える。

「分かった。じゃあ、ついでだから全部の値見とこうか。今、ラベル発行した」

「ありがとうございます」

　康二は早速、カルテを更新させて検査ラベルを出す。

「今、検査出した！」

「俺、持って来ます！」

　風磨が走って採血の準備をしに行く。

「あー、先に動脈ライン取った方が良かったか。でも、どの道、早く輸血用意したいよね」

　深澤先生は俺を見た。

「動脈ライン取る準備、お願いしていいですか？」

「はい！」

　俺は病室から出て、ワゴンを持って来る。その上に、処置に必要な物品を次々と乗せていく。

「本当は今すぐにでもオペをした方がいいんだろうけど、まずはバイタルが安定しないと手術した時に死ぬからね。翔太、悪いけど勝手にやってもいい？」

「あ……うん……」

　しょっぴーは頷くことしかできない。
　
　