Maybe.Ⅲ (ページ7)

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「……分かんない」

　そりゃそうだよね。しょっぴーはずっとここにいて、患者さんの状態を直接見たのはさっきが初めてだ。きっと、レントゲンの写真も見てないのだろう。

「あー、やっぱりね」

　しょっぴーの後ろから、無気力な声がした。

「深澤先生」

　呼吸器内科担当の深澤先生だ。良かった……これでどうにかなる。

「さっき、たまたま写真確認したんだけど、骨盤が折れてたんだよね。ショックになるかな～どうかな～って思ってたら、やっぱりなっちゃったか」

　深澤先生は部屋の中に入りながら話をする。ちょうど、ちゃかとまつくが点滴を持って来た。

「点滴持って来ました！」

「お、ちょうど良かった。ルートはあるね。じゃあ、両手からクレンメ全開にして補液して」

「はい！」

　ちゃかとまつくが持って来た点滴をそのまま繋げる。

「そしたら、次もクレンメ全開で投与して。若い人だし腎機能は気にしなくていいから。あと、ノルアド3A希釈で作って来てほしい。追加の補液も持って来て」

「分かりました！」

　流星くんが返事をして走って行く。
　深澤先生……この人、すっごくやる気なさそうだけど、患者さんを見て的確に指示を出してくれる。本当に凄い人だ。助かった。
　
　