Maybe.Ⅲ (ページ18)

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飛沫を跳ね飛ばしページ18

　
side.dt

　みなさん、ご機嫌よう。宮舘涼太でございます。
　俺は今、新生児室で赤ちゃんの状態を見ている。胸の音を聴診して、問題がないことを確認する。

「う～」

「ごめんね。ありがとう。元気そうで安心したよ」

　今日も予定よりも少し早く陣痛が来てしまった妊婦さんが来院された。緊急分娩となり、元気な赤ちゃんが無事に産まれてくれた。お母さんも元気そうで、ホッとしている。
　産婦人科は新しく生命が生まれ、死が1番遠い部署だと言われている。しかし、それが当たり前だという考えがあるために、死産になってしまった時の絶望感から精神的に自分を責めてしまって病気になってしまうお母さんもいる。だからこそ、産科医はどんなことでも見逃さずに、赤ちゃんの状態を確認しないといけない。大切な命を守るために。

「ん？」

　赤ちゃんを1人1人見ていると、病院内のアナウンスが2回鳴る。これは……。

『ドクターコール、ドクターコール。救急病棟。ドクターコール、ドクターコール。救急病棟』

「救急病棟？」

　救急病棟でドクターコールが鳴るなんて、今まで聞いたことがない……何か、本当にまずいことが起こってるのだろうか……。

「……」
　
　