Maybe.Ⅲ (ページ16)

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　そんなことまでしてくれるの！？

『今は順調に手術を行ってます。バイタルも安定してて、患者さんの経過も良好です』

「そうですか。良かった……」

　今はオペ室に入って1時間くらいが経っている。まだ始まったばかりだろうが、今のところは問題がないと言うことだ。

『手術の後はICUに行くことが決まりました。また、ご家族にだけお伝えしていただいてもいいですか？』

「分かりました。わざわざありがとうございます」

『はい。失礼します』

「失礼致します」

　オペ室の看護師さんが電話を切ったことを確認し、電話を切る。

「オペ室……何やって？」

　康二が不安そうな顔で俺に聞く。

「ああ、患者さんの状態を教えてくれたんだ。今はバイタルも安定してるって」

「ほんま！？良かった……」

　ホッとしたように胸に手を当てて、背中を退け反らせる。

「あと、この後はICUに行くことになったから、ここには戻って来ないらしい。家族にだけ知らせないといけないから……」

「分かった。じゃあ、俺行って来るな」

「待ってください、康二くん。ICUに患者さんが行くってことは申し送りしないといけないんじゃないですか？」

「あ……」

　ケンティーの言葉に康二くんは固まった。
　正直、ICUの看護師は怖い。噂では、四天王と呼ばれる怖い人がいるらしい……。
　
　