番外編 _ 阿部 side . ページ49
阿部 side .
Aがいなくなった現実を
どう頑張っても受け入れられない自分がいた。
そんな中思い出すのはちょうど2年前くらい、
Aに付き添って初めて病院に行った日のこと。
あの時だって、結局は行き先を間違えてたんだ…。
整形外科なんかじゃなくて
ちゃんとした大きな病院に連れて行ってれば、
もう少し早く治療を始められて
Aは助かったかもしれないのに…。
.
佐「 …阿部ちゃん、」
「 佐久間…、っ、ごめん、」
そんな俺はスタジオの生出演を全て終えたあと、
トイレに篭って一人泣いてた。
家に帰る気にもなれなくて、ただ泣けるだけ泣きたくて。
そしたら知らないうちに佐久間がいて
肩をポンと叩かれた。
さっきまで一緒にいたはずなのに、
佐久間の顔を見た瞬間また安心して涙は溢れる。
佐「 …俺もさ、受け入れられなくて、」
「 だよな…、もう、1年近く会ってないのにさ、
…嫌ってほど、鮮明に思い出すんだよ、」
一緒に活動した5年間。
たったの5年間なのに、
その思い出の数は計り知れない。
どんな時も笑ってた
Aの笑顔も、優しい声も、
もう感じることが出来ないなんて信じられないし
信じたくもなかった。
.
「 なんで… なんでAだったんだろう、
……なんで、助けてやれなかったんだろう、」
佐「 阿部ちゃんのせいじゃない。誰も悪くないんだよ。」
俺が病院に付き添ったのにすぐに気付けなかったこと。
そのことはずっと悔やんでいて、
佐久間にだけは何度も何度も相談してた。
その度に俺のせいじゃないって言ってくれたけど、
後悔する気持ちは消えてくれるはずもなかった。
佐「 …でもあんま泣くとさ、A心配するよ。」
「 心配…？」
佐「 自分のせいで阿部が追い詰められてるって知ったら、
あいつのことだもん、絶対気にするっしょ。」
�� だからどんなに悲しくても、
あいつを悲しませることだけはやめよう。��
そんな佐久間の言葉を、
自分に言い聞かせるように何度も何度も頷いた。
.
ごめんな、A。
俺本当に弱いやつだから、
多分すぐには立ち直れないと思うんだ…。
でもAのためにも、必ず、…必ず前を向くから。
だからもう少しだけ、泣かせて欲しい。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4021人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さき - まじで泣きました...素敵な作品ありがとうございます.. (10月26日 17時) (
レス) @page50 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして、この作品を読むのは3回目なのですが何回読んでも感動して涙が止まりません。普段泣くことも少ない私でも心に響くとてもいい作品だと思います。こんなに感動する素敵な作品に出会えてとても嬉しいです。感動的な作品本当にありがとうございます (8月8日 22時) (レス) @page50 id: 9eee8de410 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃま(プロフ) - コメント失礼します。前々から気になっていた作品だったので、思い切って読んでみたらありえないほど感動して涙が止まりませんでした。最高に素敵な作品をありがとうございます、、！！ (7月26日 3時) (レス) @page50 id: 6a1ddb5ea7 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - はじめまして。こちらの作品がおすすめに出てきて気になって読んでみたら、途中から涙が出てきて最後には号泣していました。あと1日生きられたらメンバーと再会できたのかなとか色々考えたりしましたがやっぱり大切な人を失うことは悲しいことだなと思いました。 (7月25日 21時) (レス) @page50 id: 8b72b5b67a (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - とても感動して、おもわず涙が出てきました。何か心が揺さぶられるようなものがありました！！素敵な作品をありがとうございました (2023年4月23日 17時) (レス) @page46 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：望穂
| 作成日時：2020年4月3日 18時
