番外編 ページ41
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卒業式後の体育館外には、たくさんの卒業生とそれを囲む在校生。
先生や保護者はその輪から外れて生徒達を見守っていて。私もそっち側で、なんとも言えない気持ちで翔太くんを探してみる。
ものの数秒で見つけたのは、女の子たちが集まる真ん中に想像通り翔太くんの姿。
「……はぁ。」
「ふふ。……寂しい？」
こっそりこぼしたため息を拾ったのは、さらさらの髪の毛を風にゆらせた阿部先生、もとい亮平。
周りの先生達も生徒と話しているから、今この空間で私たちが会話していてもきっと気にする人はいないけど、聞かれても大丈夫なように言葉を選ぶ。
「……はい。ちょっとだけ。」
阿部「渡辺は自宅から大学に通うんだよね？」
「それはそう、なんですけど……」
翔太くんと離れ離れになる訳じゃない。
小学校も中学校も、こういう瞬間はあって。
いつだって乗り越えてきたのに。
なんでだろう？凝りもせず、やっぱり寂しいって思う。
視界の先の翔太くんは、後輩達から強請られて上着まであげちゃって。
この様子ではワイシャツのボタンもどれくらい残るやら……不審者みたいな格好で家に帰ってきたら、意地悪して鍵締めちゃおうかな。
阿部「ふーん。……ちょっと……ううん、だいぶ妬けちゃうなぁ。」
「！？！」
周りに聞こえないように耳元で囁かれた声に驚いて大きく肩が揺れる。
学校で。こんな人の多いところで。
幼馴染の頃ならよくあった行動も、亮平を好きだと自覚している私には刺激が強すぎて。
みるみるうちに顔に熱が集中していく。
そんな私を見て亮平は満足そうに笑うだけ。
「〜〜っ！もう！」
私は怒ってそんな亮平から距離を取る。けれど亮平は相変わらず嬉しそうにしていて。
こういう意地悪なところは、付き合い始めてから見せてくれた亮平の姿で。
大人なのに子どもみたいなことをしてきて。
照れくさい気持ちはあるけれど、なんだか胸がきゅんとする。
誰かが言っていた「阿部先生ってあざといよね！」っていうのは、きっとこういうところからなんだろう。
「あーべーちゃん！！」
阿部「うわ、」
亮平に後ろから抱きついたのは佐久間くん。
佐久間「阿部ちゃんー！俺らと写真撮ってよー！！」
阿部「あーはいはい。」
佐久間くんのハイテンションに対応する亮平はどこか嬉しそうで。
その姿はやっぱり先生だ。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
